登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 2000年 |
スイス南東部のにあるベッリンツォーナは、ティチーノ渓谷を見渡す岩場に築かれたカステル・グランデを中心に要塞が点在しています。ここは古くからイタリアと西ヨーロッパを結ぶ交通の要衝で、カステル・グランデから接続した「ムラータ」と呼ばれる防壁で結ばれて、14世紀建造のモンテ・ベッロ城、15世紀建造のサッソ・コルバロ城と合わせて世界遺産に登録。
ここではベッリンツォーナ旧市街の3つの城と防壁・城壁群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ベッリンツォーナについて詳しくなること間違いなし!
ベッリンツォーナ旧市街の3つの城と防壁・城壁群とは?
イタリアとの国境に近いティチーノ州にあるベッリンツォーナは、ここはアルプス山脈の南側に位置し、かつてはイタリアと西ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でもあった都市。そのため、ここはローマ時代からすでに要塞が存在していました。10世紀に現在のカステル・グランデが岩場に建造されると、その後、都市は要塞化し、岩の上には城と防壁が建造。ミラノ公国(1395〜1797年)が、この地を15世紀に征服するとさらに増強されていきました。やがてスイスの州同盟の傘下に入り、やがて城は国家に帰属し、修復工事などが行われたため、保存状態も良好。
カステル・グランデ
街の中心部にあり、岩場の上に築かれた城。ここはトッレ・ネラとトッレ・ビアンカという2つの塔があり、3つの防壁が残っています。かつては狭い階段でしか城へは登れませんでしたが、現在はエレベータが設置。
防壁(ムラータ)
15世紀初頭に建造され、1470年に完成。カステル・グランデの城壁から、ティチーノ川近くにある塔まで繋がっていた防壁。現在は南方に位置する城壁が残っていて、幅は4mもあり、はね出し(出し狭間)を備えた堅固なものでした。
モンテ・ベッロ城
カステル・グランデの隣にあり、ここは13世紀に建造され、上から見るとほぼ菱形になる城壁で囲まれています。ここは三隅に塔が建造され、壁には銃眼があり、さらには跳ね橋や落とし格子などが設置されていました。
サッソ・コルバロ城
カステル・グランデとモンテ・ベッロ城から離れた丘の上に15世紀後半に建造された城。ここは防衛用の塔をベースにしていて、やがて見張り用の塔が加えられ、中庭には煙突があり、尖頭型の窓がある住居が置かれています。
ベッリンツォーナ旧市街の3つの城と防壁・城壁群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ベリンツォーナが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
ベッリンツォーナの城と防壁・城壁群は、アルプスの交通の要衝地にあり、中世後半における優れた防御施設であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ベッリンツォーナの旧市街は、ローマ時代からアルプス山脈を通じてイタリアと西ヨーロッパを結ぶ地であったことから、ここはローマ帝国やミラノ公国などの支配者によって城や防壁などが建造され、非常に優れた要塞都市であったという点で評価されています。
ちなみに、このあたりはスイスでもイタリア語系の言葉を話す人々が多く、ロンバルド語と呼ばれています。しかし、イタリア語を話す人と意思疎通ができるか…と言われると難しいこともあり、現在で消滅言語の一つとさされるのもの。似たような言語なのに不思議ですね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。