登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8), (10) |
登録年 | 1997年 |
カリブ海に浮かぶ島国・ドミニカ国。島の南東部にあり、標高1342mの火山トロワ・ピトン山を中心に5つの火山が並ぶモルヌ・トロワ・ピトン国立公園は、約50もの噴気孔や温泉湖が見られ、温度が約95度もあるボイリング・レイクがあることで知られます。ここは小アンティル諸島でも多種多様な生物が見られる地で、世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオツノカブトムシ」が有名。
ここではモルヌ・トロワ・ピトン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、モルヌ・トロワ・ピトン国立公園について詳しくなること間違いなし!
モルヌ・トロワ・ピトン国立公園とは?
カリブ海の東端から東南部にいくつもの島々が並ぶ小アンティル諸島。旧イギリスの植民地であったドミニカ島は1978年に独立するとドミニカ国となり、ここはカリブ海でも多種多様な生物が見られる島となっています。島の南東部にあるモルヌ・トロワ・ピトン国立公園は、68.57平方kmの敷地を誇り、これは国土の約9%にも及ぶもの。標高1342mを越えるトロワ・ピトン山を中心に広がり、さまざまな形状の火山や氷河によって形成された地形が見られ、複数の熱帯雨林で包まれた景観が広がっています。
ここは起伏の多い地で、火山活動によって形成された50もの噴気孔や温泉湖が点在していて、温度が約95度もあるという広大なボイリングレイクもあり、これは温泉湖としても世界最大級。高地には雲霧林を含む5つの森林帯が存在しています。荒野と熱帯雨林が入り混じった独特な環境でもあり、固有の動植物が見られ、特にドミニカ国の固有種で絶滅危惧種であるミカドボウシインコやアカノドボウシインコなど生息。世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオツノカブトムシ」が見られるという点でも有名です。
モルヌ・トロワ・ピトン国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
モルヌ・トロワ・ピトン国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
モルヌ・トロワ・ピトン国立公園には、火山による堆積物、氷河によって削られた斜面、成層火山などの地層で構成され、ここには温泉湖や噴気孔などが点在し、大規模な火山活動を示すもの。ここは人間の手が入っていないという環境にあり、現在も火山活動が進行中であり、科学的に価値のある地形学的な還元プロセスが見られるという点。
登録基準(x)
モルヌ・トロワ・ピトン国立公園は、カリブ海の島々の中でも開発されていない森林地帯が残る地の一つで、生物多様性が豊富で、世界的に珍しい固有種が多いエリア。ここは維管束植物種を含む多様な植物相があり、さまざまな種類の森林帯が残ります。爬虫類や両生類に固有種が見られ、ドミニカ国の固有種で絶滅危惧種であるミカドボウシインコやアカノドボウシインコなどが生息。さらにまだまだ新種が発見される可能性があるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
モルヌ・トロワ・ピトン国立公園は、火山によって形成された地形が広がり、温泉湖や噴気孔などが点在し、火山活動が見られるのが特徴。そして、ここは世界的にも珍しい動植物が多く見られ、ドミニカの固有種のインコなどが生息しているという点で評価されています。
ちなみに、「ドミニカ」とは、クリストファー・コロンブスがここを訪れた日が日曜だったため、日曜日(ドミンゴ)と名付けられたもの。カリブ海のイスパニョーラ島にも同名の国家「ドミニカ共和国」という国がありますが、これはスペインの修道会・ドミニコ会から由来していて、ちょっとややこしいところ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。