京都府の世界遺産「高山寺」とは?鳥獣人物戯画を含めて世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(2),(4)
登録年1994年

高山寺は「古都京都の文化財」の構成資産の一つ。鎌倉時代から残る石水院は大変貴重なものである一方、漫画のルーツともされる『鳥獣人物戯画』があった場所でもあります。ところで、高山寺はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは高山寺がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、高山寺について詳しくなること間違いなし!

目次

高山寺とは?

高山寺
画像素材:shutterstock

右京区梅ヶ畑にあり、山中に位置する寺院。漫画のルーツともされる『鳥獣人物戯画』が保管されていた場所としてあまりにも有名ですね。8世紀に創建されたと伝わりますが、1206年に華厳宗(けごんしゅう)の僧・明恵(みょうえ、1173〜1232年)が後鳥羽上皇からこの地を与えられると、寺院を作ったことが実質的な高山寺の起源だと考えられています。

1219年に本堂が作られるも室町時代に消失し、現在の金堂は江戸時代に仁和寺から古堂を移築したもの。

石水院

鎌倉時代から残るのは、明恵が住房であった場所と伝わる石水院のみ。ここは経蔵(きょうぞう、経典や仏教に関する書物を収蔵するも施設)であったものの、1228年に元の石水院が無くなったため、ここを整備したと考えられています。ここは数少ない鎌倉時代の入母屋造の建築物として国宝にも登録。

高山寺はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

高山寺
画像素材:shutterstock

高山寺が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
京都は8〜17世紀にかけて、宗教と世俗的な建築様式や庭園設計が発展した場所であり、日本伝統文化の形成に貢献してきました。そして、庭園設計は19世紀以降、世界中に大きな影響を与えたという点。

登録基準(iv)
京都の文化財に見られる建築と庭園設計は、日本の前近代の文化における最高の表現であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

高山寺は鎌倉時代に中興した寺院で、石水院は京都でも数少ない当時の建造物として大変貴重なものであるという点で評価されています。

ちなみに、鳥獣人物戯画は教科書にも載るほどに有名ですが、この絵巻物の作者は分かっておらず、どうやら平安時代後期から鎌倉時代初期まで、複数の作者によって描かれたものをまとめたというのが現在の定説。動物図鑑という側面もあると考えられているものの…キャラはどこか人間っぽい感じもするし、不思議な絵巻でもあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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