登録区分 | 複合遺産 |
登録基準 | (3), (4), (7) |
登録年 | 1988年 |
パムッカレは、トルコ西部の平野に突如と現れる、白く輝く不思議な丘。これは石灰が石化して、鍾乳石の棚を作り上げたものです。パムッカレの丘の上には紀元前2世紀に築かれたヒエラポリスがあり、ここはローマ時代、温泉をテーマとした健康センターとして栄えた場所。
ここでは、ヒエラポリス-パムッカレがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、パムッカレについて詳しくなること間違なし!
ヒエラポリス-パムッカレとは?

パムッカレは、トルコの南西部にあるデニズリ県の県都デニズリから北へ約15km。平原にある標高約200mの丘には、斜面から石灰を含んだ温泉水が流れており、これが堆積して段々状の棚を作り出しています。まるで綿が集まった城塞に見えることから、トルコ語で「綿の城(パムッカレ)」と呼ばれます。
ヒエラポリス

ヒエラポリスは、パムッカレの丘の上に築かれた都市遺跡のこと。紀元前2世紀にこの地方を支配していたペルガモン王国(アッタロス朝)のアッタロス王が、ここに温泉が湧き出ることから温泉保養地を設立。その後、ローマ帝国が支配するようになると、温泉地として栄え、大きな浴場や1万5000人を収容できる劇場、凱旋門、2kmも続くネクロポリス(墳墓群)なども建造されました。
5世紀に、現在のトルコのあるアナトリア半島で、キリスト教が受け入れられるようになると、1世紀に殉教したとされる聖フィリップを祀ったマルティウム(八角形の聖堂)が設立され、東ローマ帝国の中でも宗教の中心都市としても機能するようになります。
ヒエラポリス-パムッカレはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

パムッカレが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ヒエラポリスは、パムッカレから流れ出る温泉を生かした、ヘレニズム・ローマ時代の温泉施設の優れた例であるということ。
登録基準(iv)
ヒエラポリスに点在するキリスト教関連の遺跡は、4〜6世紀の間に建造された、初期キリスト教建築の傑作であるという点。
登録基準(vii)
パムッカレの丘から流れ出る石灰を含んだ温泉水は、滝や鍾乳石、段々状の石灰棚を生み出し、印象的な風景を作り出しているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
パムッカレは、石灰水で形成された、真っ白な丘が広がるという世界でも見られない不思議な風景です。そして、温泉地として古来から有名で、ローマ建築やキリスト教建築などの保存状態が良いというのもポイント。
ちなみに昨今のパムッカレは日本の温泉地と同じく、リゾートホテルの建設ラッシュで、温泉水がどんどんと減っているというのが現状。シーズンによっては、全く水がないという状態もあるほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。