鹿児島県は九州最南端にあり、古くから島津家の領地でもありました。大河ドラマなどで主役にもなった西郷隆盛の出身地でもあり、明治政府を樹立した立役者を多く輩出したということでも有名ですね。他にも屋久島や奄美諸島など、美しい自然が見られる島が多くあることでも知られますが、鹿児島の世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、鹿児島県の世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
屋久島/熊毛郡屋久島町
鹿児島県は九州本土の最南端にある大隈半島から南へ約60kmの位置にある、ほぼ円形の島。九州最高峰の宮之浦岳(標高1936m)を持ち、さらに1800mの山々が連なる山岳島でもあります。
島の山間部は、年間8000mmを超える降水量となるほどに雨が多い土地。湿気の多い環境であるために、島は世界に誇る独特な生態系が見られます。ここには約1900種もの動植物が見られ、特に標高600〜1800m付近には「屋久杉」と呼ばれる、樹齢1000年を超える巨大なスギの木があることでも有名。
詳細はこちら↓
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業
旧集成館/鹿児島市
鹿児島は、かつての薩摩藩の領地だった地。第28代当主・島津斉彬(1809〜1858年)は欧米列強に対抗するために1851年から「集成館」と名付けた近代的な工場を建造し、ここでは軍事産業の発展だけでなく、製鉄や造船、紡績などが行れたことが特徴でもあります。
旧集成館は、鹿児島市吉野町にある島津家の庭園・仙巌園(せんがんえん)の近くに置かれ、ここには反射炉である「旧集成館反射炉跡」、機械工場であった「旧集成館機械工場」、イギリスから訪れた技師たちの宿舎「旧鹿児島紡績所技師館」などで構成されています。
詳細はこちら↓
寺山炭窯跡/鹿児島市
鹿児島市吉野町寺山地区にある木炭を製造するための石積み窯跡。島津斉彬によって築かれた西洋式工場である集成館は、稼働させるために大量の燃料が必要でした。そこで斉彬は1858年に集成館から北東に約5.5km離れていて森林に囲まれたこの地で熱効率の良い白炭を作るために炭窯を計画し、この地に石積み窯を建造。
詳細はこちら↓
関吉の疎水溝/鹿児島市
鹿児島市下田町にある用水路。島津斉彬によって築かれた西洋式工場である集成館は稼働のために大量の水が必要でした。そこで斉彬は1852年に集成館から北西へ7〜8km離れたこの地まで用水路を建造。現在は約3kmほど残っていて、一部は現在も水田の用水路として利用されています。
詳細はこちら↓
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
奄美大島/奄美市・大島郡宇検村・大和村 ・瀬戸内町
鹿児島市と沖縄本島のほぼ中間に位置する、総面積約712平方kmの島。日本では本土4島を除くと5番目に大きさを誇る島でもあります。島は奄美諸島全体をカバーする奄美群島国立公園の一部で、世界遺産として登録されているのは、島中央部の湯湾岳(標高694m)など原生林が広がるエリア。
特に特別天然記念物でもあるアマミノクロウサギは、この島と徳之島でしか生息しない絶滅危惧種で、1属1種で近縁種は存在しないという非常に珍しいウサギ。これはウサギ科の仲間の中でも原始的な種に近いとされています。他にも奄美諸島の固有種であるルリカケスという絶滅危惧種の鳥類も生息。
詳細はこちら↓
徳之島/徳之島町・天城町・伊仙町
奄美群島の中でもほぼ中央にある、総面積約248平方km島で、大きさでいえば奄美群島の中でも2番目。島はほぼ石灰岩で構成されていて、カルスト地形が発達した島でもあります。島内は南北でそれぞれ登録エリアが分かれていますが、どちらも内陸の原生林が多く残るエリア。
この島でもアマミノクロウサギが見られますが、北部と南部では数千年前から異なる遺伝的特徴を持ち、生態も異なるという非常に珍しいもの。
詳細はこちら↓
世界遺産マニアの結論と感想
鹿児島県の世界遺産としては3件ではありますが、構成資産として数えると6箇所も登録されています。鹿児島市には島津斉彬が築いた実験的な工場や水路から、屋久杉で有名な屋久島まで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。