鹿児島県の世界自然遺産「屋久島」とは?世界遺産マニアが簡単に解説

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登録区分自然遺産
登録基準(7),(9)
登録年1993年

九州本土から約60km南方にある屋久島といえば、巨大な縄文杉があることで有名。そして、世界自然遺産に登録されていることでも知られます。ところで、屋久島はなぜ世界遺産に登録されているのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは、屋久島がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、屋久島について詳しくなること間違いなし!

目次

世界遺産・屋久島とは?なぜ評価されたのかを簡単に解説!

永田岳/屋久島
画像素材:shutterstock

屋久島は九州本土の最南端にある大隈半島から南へ約60kmの位置にある、ほぼ円形の島。ここは東京の23区の面積(671.98平方km)より少し小さい504.88平方kmの広さではあるものの、九州最高峰の宮之浦岳(標高1936m)を持ち、さらに1800mの山々が連なる山岳島でもあります。

ここは海岸線から山岳地帯まで標高約2000mもの差があることから、麓は亜熱帯気候なのにもかかわらず、中央の山頂付近は北海道と同じ気候で亜寒帯植物などが見られるというのが特徴。標高ごとに植物の種類が異なるという「垂直分布」になっているという点で評価されています。

屋久杉/屋久島
画像素材:shutterstock

屋久島の山間部は、年間8000mmを超える降水量となるほどに雨が多い土地。湿気の多い環境であるために、島は世界に誇る独特な生態系が見られます。ここには約1900種もの動植物が見られ、特に標高600〜1800m付近には「屋久杉」と呼ばれる、樹齢1000年を超える巨大なスギの木があることでも有名。日本列島は、過去の寒冷期に落葉広葉樹林が南下しなかったため、南方にある屋久島に針葉樹林であるスギが残るという「遺存固有」が見られるというのが特徴です。

歴史としては、7世紀から文書に記録が見られますが、既に中世から屋久杉は神木として崇拝されていたものの、江戸時代は薩摩藩によって伐採が行われてきました。明治維新後、1923年には「屋久島憲法」として知られる「屋久島固有林経営の大綱」が制定され、国有林になり、保護されるように。しかし、伐採は続けられ、本格的に伐採が禁止されるようになるのは1980年代になってから。

屋久島はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

屋久島
画像素材:shutterstock

屋久島が評価されたのは以下の点。

登録基準(vii)
屋久島は、2000mもの山々から海岸まで緩やかな勾配が続くという垂直分布が見られ、樹齢1000年以上を超える屋久杉で有名。これだけの老齢のスギが見られるのは日本でも屋久島だけ。ここは小さな島なのにもかからず、生物や科学、自然が作り出す芸術という面で貴重であるという点。

登録基準(ix)
標高差の激しい屋久島は、北緯30度付近にもあるのにもかかわらず、スギの原生林が今でも残る地で、ここは生物学や地理学、垂直分布、低地と高地の相互作用、水文学、温帯の生態学の過程などの研究において重要であるということ。

の2つ。つまり、

「屋久島は小さな島なのにもかかわらず、標高2000mもの山々が連なり、そこには古代から針葉樹林であるスギがそのまま存在して、麓までさまざま生態系を持つことから、生物学や地理学などの研究において価値がある」

ということですね。

屋久島の構成遺産をご紹介

1、屋久杉

屋久杉/屋久島
画像素材:shutterstock

屋久島の中央部にある山岳エリアにあり、標高600〜1800mに多く分布するスギのこと。もともと屋久島は花崗岩の地盤であるために土に栄養素が少なく、スギは成長が遅くなり傾向にありますが、その分、樹脂が多くなっていて、これが防腐・防虫効果へと繋がり、長寿になるという仕組み。そして、倒木しても切り株更新が起こり、また再生するので、屋久島独特の生態がそのまま保たれてきました。

その中でも屋久島最大の大きさを誇る「縄文杉」は少なくとも樹齢2000年以上であるとされることで有名。

2、植物相

ヤクシマシャクナゲ/屋久島
画像素材:shutterstock

小さな島の中で、標高差が2000mもあり、標高が上がることで植生が変化するという垂直分布が見られるのが特徴。例えば、低地だと、ガジュマルやアコウ、メヒルギなどの亜熱帯の植物が見られますが、標高700〜800mまではシイ類やカシ類、1000〜1600mには屋久杉などが生息し、山頂部には「屋久島町の花」であり、固有種のヤクシマシャクナゲが見られます。

3、動物相

ヤクザル/屋久島
画像素材:shutterstock

屋久島はもともと大陸と陸続きで、約1万5000年ころにこの地に住んでいたサルやシカなどが隔離され、それぞれヤクザルとヤクシカとして独自に進化しました。哺乳類は4種類が固有種で、鳥類が2種も固有種。

世界遺産マニアの結論と感想

小さな島なのに九州最高峰の山々が並ぶ屋久島は、その標高差によって植物や動物が独自の生態系を持つようになり、古代から生き続けているスギがそのまま残るという屋久島ならではの環境が見られるという点で評価されています。

ちなみに、縄文杉が最も古い屋久杉かと思われがちですが、それはイメージの強さから。実際に放射性炭素年代測定法で調べると樹齢2000年以上のもので割と古くなく、近くにある「大王杉」は樹齢3000年以上であることがわかっているので、最も古い屋久杉はこちらなのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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