登録区分 | 複合遺産 |
登録基準 | (1), (3), (5), (7) |
登録年 | 1985年 |
カイマクルの地下都市は「ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡」の構成資産の一つ。地下8階にもなる広大な地下都市は、まるで迷路のように入り組んでいます。ところで、カイマクルの地下都市はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではカイマクルの地下都市がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カイマクルの地下都市について詳しくなること間違いなし!
カイマクルの地下都市とは?
カイマクルはカッパドキアの中心地でもあるギョレメから南へ約25kmに位置する村。建造された年代に関しては不明ではあるものの、おもにビザンツ帝国時代にアラブ人の脅威から逃れるため、キリスト教徒が利用していた跡が残ってます。ここには地下8階まで掘り進めた地下都市が残っていて、洞窟内には教会はもちろん、ワイナリーや貯蔵庫、学校などが存在するのが特徴。
地下都市は最盛期には最大で2万人もの人々が生活していたと見られていますが、その存在はいつしか忘れ去られ、貯蔵室や納屋として使用されていました。カッパドキアの観光地化によって、現在はアクセスの良いこともあり、人気のスポットとなっています。
カイマクルの地下都市はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カイマクルの地下都市が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ビザンツ帝国によるイコン破壊運動によって、当時のビザンツ美術品は現代ではほとんど見られませんが、カッパドキアの教会群は見事に生き残り、その独特の壁画を今に残しているという点。
登録基準(iii)
洞窟住居や洞窟教会、洞窟修道院など、4〜11世紀まで人々が隠れ住んだ、ビザンツ帝国時代の辺境の暮らしが今でも見られるということ。
登録基準(v)
カッパドキアの洞窟住居は、人々が自然を利用して伝統的な暮らしを続けた場所であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
カイマクルの地下都市は、イスラム教徒から逃れてきた人々が開発しながら隠れ住み、当時の暮らしが今でもよく分かるという点で評価されています。
ちなみに、約10km南にある位置するデリンクユの地下都市はカッパドキアでも最大規模ですが、地下通路も確認されていて、地下だけでも都市間の移動ができるというほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。