南米大陸でも北西部に位置するエクアドルは、アンデス山脈が南北に連なる国。エクアドルとは「赤道」という意味で、首都キトやクエンカにはコロニアル様式の建造物が残り、太平洋に浮かぶガラパゴス諸島はダーウィンの進化論のルーツになったことでも有名。さまざまな遺産がありますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、エクアドルの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
キトの市街
首都キトはエクアドルのピチンチャ火山の中腹、2850mの高地に位置する都市です。もともとキトは先住民のキトス族が築いた街が起源。16世紀にインカ帝国時代にあった都市が廃墟になった後、サン・フランシスコ聖堂・修道院など、宗教建築が多く建設され、現在は「アメリカの修道院」と呼ばれるほどに。
ルネサンス様式、バロック様式、ムデハル様式(スペインのイスラム風建築様式)など、さまざまな建築様式が見られ、地震で何度か被害に遭ったにもかかわらず、保存状態は極めて良好です。
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ガラパゴス諸島
ガラパゴス諸島は、エクアドルの沿岸から西へ約1000kmに位置する孤島群。太平洋に浮かぶこの島は、ゾウガメ(ガラパゴ)が多く住むことからガラパゴスと呼ばれますが、正式名称は「コロン諸島」。
大陸から離れているため、独自の進化を遂げた動物も多く、19世紀にここを訪れたチャールズ・ダーウィンは ここで『進化論』の着想を得たという場所。ガラパゴス諸島は特異な生態系が多く、「生きた博物館と進化のショーケース」と称されています。
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サンガイ国立公園
サンガイ国立公園は、南米大陸を貫くアンデス山脈の東側からアマゾン川の上流域の熱帯雨林まで、約2700平方kmもの広大な敷地を誇ります。ここは、標高5286mのサンガイ山と標高5016mのトゥングラワ山という2つの活火山を持ち、山頂の氷河からツンドラ、雲霧林、熱帯雨林、湿地帯、荒れ地など、標高差が4000m以上あることから多様な植物の垂直分布が見られるのが特徴。
ここでは熱帯雨林から山頂の氷河まで標高差が4000m以上あることから多様な植物の垂直分布が見られます。そして、南米大陸唯一のクマであるメガネクマやアンデスコンドルなど、固有種が生息することで有名。
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サンタ・アナ・デ・ロス・リオス・クエンカの歴史地区
エクアドル中南部のアスアイ県にあるサンタ・アナ・デ・ロス・リオス・クエンカ。周囲はアンデス山脈に囲まれ、ここは4つの川が集まることから農業に適した地でもありました。もともとはインカ帝国時代から集落があったものの、16世紀にスペインの皇帝カルロス1世(カール5世)のガイドラインに沿って設立された都市。
歴史地区は18世紀ころの姿を現在にまで残し、サント・ドミンゴ教会堂など、南米の気候に合わせて作られた建造物が多く残ります。
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アンデスの道路網カパック・ニャン(ペルー・コロンビア・チリ・ボリビア・アルゼンチンと共同)
カパック・ニャンは、インカの人々によって数百年にも渡って築かれ、北からコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンにまたがる3万kmの街道。ここは約6000m級の山々、熱帯雨林、渓谷、砂漠などを通る、世界でも最大規模の道路網でもあります。
インカ帝国の首都であったペルーの都市・クスコの広場から、東西南北に延びる4つの道が主要道路となっています。エクアドルで登録されているのは、チンチャイ・スウユ(北方)で、最も地形の変化が多く、鉱山や温泉、盆地などを通っていき、エクアドル、コロンビア南部までを結ぶ壮大なルート。
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世界遺産マニアの結論と感想
エクアドルの世界遺産としては4件ではありますが、構成資産として数えると5箇所も登録されています。スペイン統治時代の旧市街が残る首都キトやクエンカなど文化遺産で有名である一方、絶滅危惧種の宝庫であるガラパゴス諸島や標高5286mのサンガイ山などの自然遺産まで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。