徳島県といえば、阿波踊りのイメージではありますが、県内には豊かな自然が残ることでも有名。特に鳴門海峡の渦潮や祖谷渓(いやけい)は、徳島を代表する景勝地であるものの…世界遺産はあるでしょうか?
ここでは、徳島県の世界遺産はあるのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説していきましょう。
徳島県に世界遺産は存在しない?
四国の東部に位置する徳島県は、古くは阿波国と呼ばれ、近畿地方に近いことから文化も影響を受けています。県面積の約75%の森林を占めていて、山岳地帯が多いのが特徴。そのため美しい自然が残されていて、淡路島との間の鳴門海峡は大きな渦潮が発生することで有名で、観光地となっています。
しかし、観光客には人気のあるスポットではありますが、どれも世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在の日本の暫定リストには徳島県の遺産は記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。まずは、世界遺産になるほどの魅力的なスポットを、世界遺産にする理由を探す段階である限り、世界遺産は生まれないのです。
徳島県は四国四県とともに「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録を目指している!
現状では四国には世界遺産どころか、暫定リストに登録されているスポットはありません。しかし、四国には空海ゆかりの88か所の札所霊場があり、古くから修行僧が霊場を巡るという伝統は、江戸時代になると盛んになりました。やがて巡礼者は「お遍路さん」と呼ばれるようになり、全長1,400kmに及ぶ壮大な寺院巡拝は今でも「お遍路」として行われています。その遍路は生きた文化遺産として、2006年度から取り組みを実施してきました。
2010年度には『四国八十八箇所霊場と遍路道』世界遺産登録推進協議会が設立され、四国四県や経済団体、市町村、NPO法人によって世界遺産登録を目指しています。とはいえ、まだまだ調査と普及活動がメインとなっていて、暫定リストに至るまでの具体的なプロセスまでは至っていない段階。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら現状では徳島県には世界遺産がありません。しかし、四国遍路は世界遺産候補として暫定リストを目指していて、まだまだ登録へは長い道のりですが、その価値は十分あるでしょう。歴史ある巡礼路であるので、その伝統を含めた「文化的景観」として世界遺産を求める人にもおすすめですよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。