高知県といえば、坂本龍馬の出身地であることで知られ、龍馬ゆかりの桂浜はあまりにも有名ですね。豊かな自然が残るというのが特徴で、美しい清流が続く四万十川で知られる一方、現存天守が残る高知城といった歴史的建造物はあるものの…世界遺産はあるでしょうか?
ここでは、高知県の世界遺産はあるのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説していきましょう。
高知県に世界遺産は存在しない?
高知県は四国地方の南部に位置していて、東西に細長いのが特徴。意外な話ですが、山地率は89%と全国でも有数の山岳地帯が多いエリアで、そういった環境もあり、水量豊富な川が多く流れていて、特に四万十川は絶景が続くことで知られます。高知市は幕末の志士である坂本龍馬の出身地で、高知城は現存天守が残るという点で貴重な建造物です。
しかし、観光客には人気のあるスポットではありますが、どれも世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在の日本の暫定リストには高知県の遺産は記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。まずは、世界遺産になるほどの魅力的なスポットを、世界遺産にする理由を探す段階である限り、世界遺産は生まれないのです。
高知県は四国四県とともに「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録を目指している!
現状では高知県には世界遺産どころか、暫定リストに登録されているスポットはありません。しかし、高知県には空海ゆかりの88か所の札所霊場があり、古くから修行僧が霊場を巡るという伝統は、江戸時代になると盛んになりました。やがて巡礼者は「お遍路さん」と呼ばれるようになり、全長1,400kmに及ぶ壮大な寺院巡拝は今でも「お遍路」として行われています。その遍路は生きた文化遺産として、2006年度から取り組みを実施してきました。
2010年度には『四国八十八箇所霊場と遍路道』世界遺産登録推進協議会が設立され、四国四県や経済団体、市町村、NPO法人によって世界遺産登録を目指しています。とはいえ、まだまだ調査と普及活動がメインとなっていて、暫定リストに至るまでの具体的なプロセスまでは至っていない段階。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら現状では高知県には世界遺産がありません。しかし、四国遍路は世界遺産候補として暫定リストを目指していて、まだまだ登録へは長い道のりですが、その価値は十分あるでしょう。歴史ある巡礼路であるので、その伝統を含めた「文化的景観」として世界遺産を求める人にもおすすめですよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。