登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (3), (6) |
申請年(暫定リストに記載) | 2023年 |
アラブ首長国連邦の東に位置するシャールジャ首長国には、ジュベルと呼ばれる石灰岩の丘が連なる地があり、ここには約21万年前の中期旧石器時代から約5000年前の新石器時代まで、人類の居住の跡が見られ、これはアラビア半島の中でも最も古い居住地跡でもあります。
ここではファヤの原風景がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ファヤの原風景について詳しくなること間違なし!
ファヤの原風景とは?
シャールジャ首長国はドバイ市の東に位置し、砂漠が広るエリア。首長国の中部にあるファヤは、ジュベルと呼ばれる石灰岩の丘陵地帯が広がっていて、これは白亜紀(約1億4500万年前〜約6600万年前)に形成された地層でもあります。ここは地下水が貯まるエリアで、フリントと呼ばれる石器の原材料が採掘できることから、中期石器時代(約30万年前〜約3万年前)から新石器時代まで人類が暮らしてきた跡が残る遺跡が点在。
現在は砂漠ではありますが、かつては泉や渓谷など水が豊かな土地であった時期もあることから人類が暮らすのに適した土地でもあり、洞窟や居住跡には、人類の住居や道具、埋葬地などが発見されています。これらはアラビア半島において、最も古い人類の居住地であり、約21万年前に広がっていた緑地から現在の砂漠の乾燥したエリアでも人類が適応してきたという証拠を残すもの。
ファヤの原風景はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
ファヤの原風景が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ファヤの原風景は、アラビア半島における中期旧石器時代初期から新石器時代までの居住地の変化を示し、時期によっては厳しい環境になったことがあったものの、初期人類がここで適応しながら居住したという証拠を残すという点。
登録基準(iv)
ファヤの原風景は砂漠であることから、中期更新世末から完新世におけるアラビア半島の人類の居住と適応の様子を理解でき、旧石器時代の狩猟採集民と新石器時代の遊牧民は自然と文化の変化による相互作用が見られ、それらはジェベルの堆積物などから理解できるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ファヤの原風景は、中期石器時代から新石器時代まで、アラビア半島で発生したさまざまな気候の中、初期人類が長らく暮らしてきたという景観が広がっているという点で評価されています。
ちなみに、これだけ古い時代の人類の居住地であるにもかかわらず、まだ人類の化石は見つかっていません。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。