登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2),(4) |
登録年 | 2001年 |
パリから南西へ約90kmにある都市プロヴァンは、11世紀にシャンパーニュ伯の領地になりました。12〜13世紀頃になると「シャンパーニュの大市」と呼ばれる、ヨーロッパ各地から商人が集まるという市場が開かれることで有名に。かつて定期市が開かれたサン・タユール教会や庭園など、中世の商業都市の名残が現在も見られます。
ここでは中世市場都市プロヴァンがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、プロヴァンについて詳しくなること間違いなし!
中世市場都市プロヴァンとは?
セーヌ=エ=マルヌ県の南東部に位置するプロヴァンは、かつてのシャンパーニュ地方の中心都市でした。シャンパーニュ地方はマース川、モーゼル川、セーヌ川が交わるという交通の要衝。11世紀になり、シャンパーニュ伯の領土となると、ここは「シャンパーニュの大市」が開催され、北からはフランドル地方の毛織物、南方からはイタリアの香辛料やスペインの革製品、そして、特産品であるワインなど、多くの品々が集まる交易都市でした。
プロヴァンには、かつての都市のレイアウトと中世から存続し、地下室や倉庫などが設置された商人の家々や、町を防衛するために築かれた要塞と城壁も残っています。街の中心部には、定期市が開かれたサン・タユール教会など、当時の名残が現在でも残っているのも特徴。
中世市場都市プロヴァンはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
プロヴァンが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
プロヴァンは、シャンパーニュ伯の領土内にある一都市であったものの、北方ヨーロッパと地中海世界から人々が集まる市場が開かれる場所であったということ。
登録基準(iv)
プロヴァンは、中世から残る建築物と区画の保存状態が良好であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
プロヴァンは、11世紀にシャンパーニュ伯の領土となると、その立地の良さから北欧や地中海の都市から多くの物品が集まる大市が開かれる都市であり、現在でも当時の名残が町中で見られるという点で評価されています。
プロヴァンというと、バラで有名ですが、これは13世紀にシャンパーニュ伯ティエボー4世が十字軍で中東を訪れた時に持ち帰ったもの。原種に近いのでフランスでは広く普及はしなかったものの、石鹸などのバラ製品は町の名物となっています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。