中国の世界遺産「五台山」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(3),(4),(6)
登録年2009年

北京市から西へ約350kmの位置にある五台山は、古くから文殊菩薩の聖地であり、中国の四大仏教聖山。かつては300以上の寺院があったとされますが、現在でも多くの寺院が残り、1000年以上にも渡って中国の仏教建築に影響を与えたもの。

ここでは五台山がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、五台山について詳しくなること間違いなし!

目次

五台山とは?

五台山
画像素材:shutterstock

五台山は、山西省忻州市五台県にあり、古くから信仰を集める聖山。ここは「5つの台地のある山」という意味で、5つの峰から構成され、最高峰は3058mもあるという美しい山々の景観が眺められる場所でもあります。

ここは中国において仏教が伝来した時代から寺院が建設されたと考えられています。特に北魏(386〜534年)時代には9人もの皇帝がここを巡礼に訪れ、多くの学者が集まり、聖山となっていきました。やがて五台山は文殊菩薩が住むとされる「清涼山」とみなされ、崇拝されていくのです。

寺院はかつては300はあったとされますが、現在は50ほど残り、唐時代から残る仏光寺の東大殿は中国でも有数の歴史深い木造建築で、さまざまな如来と菩薩の粘土像が残っています。

五台山はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

五台山
画像素材:shutterstock

五台山が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
五台山の仏教寺院を含めた景観は、山そのものが聖山となり、これは仏教の生まれたネパールから持ち込まれた思想が反映され、中国全土の仏教寺院に影響を与えたという点。

登録基準(iii)
五台山にはアジア各地から巡礼者が多く集まり、寺院とともに聖山として発展した文化的伝統を残す地であるということ。

登録基準(iv)
五台山は、中国皇帝の庇護を受けて発展し、聖山として建築物や彫像、石碑などを組み合わせた景観を作り出しているという点。

登録基準(vi)
五台山は、自然景観と仏教文化が融合し、中国の哲学的思考を反映したもので、中国の他の地域だけでなく、日本や韓国などでも、似たような地形を持つ山は「五台山」と名付けられ、崇拝されてきたということ。

世界遺産マニアの結論と感想

五台山は、古くから崇拝の対象となり、寺院が並び、聖山を中心とした仏教の思想が中国全体に拡大していったという点で評価されていす。そして、「五台山」という名前は他のエリアでも見られるほどに知名度が高いという点もポイント。

ちなみに、高知県には「五台山」という地名がありますが、これは中国のオリジナルの五台山と地形がよく似ていることから行基が名付けたという伝承があります。他にも、文殊菩薩は知恵をつかさどる菩薩として、「三人寄れば文殊の知恵」なんて言葉に残るように我々日本人に馴染みのある存在でもありますね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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