登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (9), (10) |
登録年 | 2011年 |
ケニア西部に広がる大地溝帯にはボゴリア湖、ナクル湖、エレメンタイタ湖と比較的浅い湖が点在し、ここは世界最大のコフラミンゴの生息地です。他にも13種の絶滅危惧種の鳥類が生息していて、世界有数の多様性を誇ります。
ここでは大地溝帯にあるケニアの湖沼群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ケニアの湖沼群について詳しくなること間違いなし!
大地溝帯にあるケニアの湖沼群とは?ナクル湖は含まれる?
まず、大地溝帯とは、アフリカ大陸を南北に縦断する巨大な谷。ここは大地溝帯の底の部分になっていて、北からボゴリア湖、ナクル湖、エレメンタイタ湖と比較的浅い湖が世界遺産に登録されています。湖はアルカリ性で、周囲は温泉や間欠泉、火山などに囲まれているのが特徴。
ここは最大400万羽のコフラミンゴが生息しているとされ、3つの湖の間を移動することで有名。鳥類の多様性は世界有数で、13もの絶滅危惧種の鳥類が見られます。そして、哺乳類も多く生息していて、クロサイやロスチャイルドキリン、ライオン、チーターなど絶滅危惧種も多く見られ、野生動物の生態の研究においても重視されているもの。
コフラミンゴ
生息域はインドから南アフリカまで広いですが、アフリカの大地溝帯が起源。フラミンゴ属の中でも最も小さいとされている種です。アルカリ湖で育つ藍藻を主な餌としていて、これを食べるために羽毛がピンク色になることで有名。
現在は開発によって生息地が減少していて、絶滅危惧種になる可能性もあるほど。ちなみに、オオフラミンゴとの違いはクチバシの色で、黒い部分が多いのがコフラミンゴとなっています。
大地溝帯にあるケニアの湖沼群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ケニアの湖沼群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
大地溝帯の湖沼群は、険しい断崖に囲まれた大地溝帯に位置する3つの湖で構成され、コフラミンゴを含む多くの鳥類が生息するという美しい景観であるという点。
登録基準(ix)
大地溝帯の湖沼群は、アルカリ湖で塩分濃度が高く、藍藻などが多く生息し、それを餌とする鳥類が集まることから、生態系のプロセスの調査において重要な環境であるということ。
登録基準(x)
大地溝帯の湖沼群は、絶滅危惧種である鳥類や哺乳類が生息地。コフラミンゴにとっては世界で唯一の重要な生息地であり、モモイロペリカンの営巣地と繁殖地でもあります。そして、ここは北の繁殖地からアフリカ大陸まで越冬するために数十億羽の鳥が移動するルートにおいて不可欠場所であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
大地溝帯という巨大な谷の中に位置する、ボゴリア湖、ナクル湖、エレメンタイタ湖の3つの湖は、鳥類にとっては栄養価の高い湖で、コフラミンゴ、モモイロペリカンを含めた多くの鳥類がここで生息し、そして、越冬する鳥のルートに含まれるという点で評価されています。
ちなみに、エルメンテイタ湖では、1962年にケニア南西部からティラピアを持ってきて繁殖したため、ティラピアがフラミンゴの卵や雛を食べてしまうらしく、これが影響してフラミンゴの数が減少してしまいました。ティラピアは身のボリュームがある上に臭みもなく、食用として世界的に大人気なのですが、貪欲で気性が荒いというのが難点ですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。