メキシコの世界遺産「ルイス・バラガン邸と仕事場」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(1), (2)
登録年2004年

首都メキシコシティー郊外には、現代建築家ルイス・バラガン自ら設計した邸宅と仕事場があり、ここはメキシコ建築史に残る傑作。総面積1161平方mという、コンクリートで覆われた外観の建造物ではありますが、メキシコ独自の要素と現代建築を組合わせた内装で、後の時代の庭園やホールなどのデザインに大きな影響を与えました。

ここではルイス・バラガン邸と仕事場がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ルイス・バラガン邸と仕事場について詳しくなること間違いなし!

目次

ルイス・バラガン邸と仕事場とは?偉大なる建築家の自邸だった場所

ルイス・バラガン邸と仕事場
画像素材:shutterstock

ルイス・バラガンはメキシコを代表する現代建築家で、彼は1948年にメキシコシティー郊外に独創的な邸宅兼作業所を建造しました。彼は幾何学的なモダニズム建築を得意としていましたが、メキシコの民家に見られるピンクや黄色、赤などのカラフルな色彩を取り入れ、国際的なモダニズム建築に地域性を加えているのが特徴です。

ここは総面積1161平方mの敷地内にコンクリートで建造された3階建ての建物で、噴水や庭園などを加えて構成されたもの。外観はシンプルであるものの、内部には黄色のやピンク色のホールが見られるのが特徴で、メキシコ独自の植物を植えた庭園や、モロッコなどのイスラムと地中海の要素を加えた噴水などは独特なデザイン。ここはメキシコの強い日差しを計算して設計するというルイス・バラガンのこだわりも見られ、20世紀建築の傑作でもあります。

ルイス・バラガン邸と仕事場はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ルイス・バラガン邸と仕事場
画像素材:shutterstock

ルイス・バラガン邸と仕事場が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ルイス・バラガン邸と仕事場は、メキシコ独自の伝統や哲学、芸術が統合して発展したモダニズム建築の傑作であるということ。

登録基準(ii)
ルイス・バラガンの作品は、モダニズム建築と地域の伝統を統合していて、後に庭園のデザインや都市設計に大きく影響を与えたという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ルイス・バラガンは、モダニズム建築とメキシコ独自の建築技法を組み合わせることで、彼独自の建築的な表現を作り出しました。そして、メキシコシティーの自宅兼アトリエは、彼の建築に関する概念が反映されていて、これが後の庭園や都市設計に影響を与えたという点で評価されています。

建築家のノーベル賞ともされる「プリツカー賞」の2回目の受賞者はルイス・バラガンで、非常に名誉のある賞でもあります。そして、メキシコ人で受賞したのは彼だけ!ちなみにですが、1987年には丹下健三氏も受賞していて、なんと日本人は8人も受賞。国籍でいうと日本人が最多受賞になっているので、いずれかは日本の現代建築でも単独で世界遺産が出てほしいですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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