登録区分 | 複合遺産 |
登録基準 | (4), (10) |
登録年 | 2012年 |
メキシコ中南部にあるテワカンとクイカトランの2つの渓谷には、世界で最も柱サボテンが密生する地。ここはサポティトラン・クイカトラン、サン・フアン・ラヤ、プロンの3つのエリアで構成されていて、リュウゼツランやオーク、北米大陸最古のダムなどが並び、独特の景観が広がっています。
ここではテワカン=クイカトラン渓谷 : メソアメリカの起源となる環境がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、テワカン=クイカトラン渓谷について詳しくなること間違いなし!
テワカン=クイカトラン渓谷 : メソアメリカの起源となる環境とは?
メキシコ中南部のプエブラ州とオアハカ州にまたがって登録されていて、サポティトラン・クイカトラン、サン・フアン・ラヤ、プロンの3つのエリアで構成されています。総面積は約1450平方kmとなっていて、これらはテワカン-クイカトラン生物圏保護区に含まれているもの。ここは北中米で最も生物多様性が見られる乾燥・半乾燥地帯でもあります。
自然遺産
この渓谷では2000種以上の維管束植物が見られ、特にサボテン科が豊富。なんと21種ものサボテンの固有種が存在し、世界で最も柱サボテンが密生する地でもあります。さらに動物の多様性も見られ、絶滅危惧種は38種類も存在。そして、鳥類も353種も生息していて、貴重なアオコンゴウインコなど固有種は9種類も見られます。
文化遺産
ここは1万2000年以上に渡って人々が暮らし続けた地でもあり、乾燥した大地と適応するように、運河や井戸、ダムなど、北米でも最古の水管理システムが築かれました。この技術により、塩の製造や陶器作りなど、文明が発展していったのです。現在でもその名残が渓谷で見られるという点で評価。
テワカン=クイカトラン渓谷 : メソアメリカの起源となる環境はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
テワカン=クイカトラン渓谷が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
テワカン=クイカトラン渓谷に残る水管理システムは、農業や塩池、陶器などに利用され、人間が厳しい環境に対応して生きてきたという証拠を示しているという点。
登録基準(x)
テワカン=クイカトラン渓谷は、北中米の中でも抜群の生物多様性を誇り、世界で最も柱サボテンが密集している地。そして、両生類や爬虫類、鳥類などは世界でも最も高いレベルの生物多様性が保護されているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
テワカン=クイカトラン渓谷は、世界で最も柱サボテンが密集している地でもあり、北中米でも有数の生物多様性が見られるエリアであるという点で評価。そして、ここは乾燥・半乾燥地域でもあるにもかかわらず、古くから人が暮らしていて、北米最古のダムがあるというのもポイント。
サボテンは乾燥地帯でも栽培できる上に、もともとは中南米しか存在していなかったために、割と他の生態系を壊すこともあって、オプンティア・ストリクタというウチワサボテンは、IUCNが定めた「世界の侵略的外来種ワースト100に」登録されているほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。