登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 2016年 |
アンティグア・バーブーダは、カリブ海の東側に島々が並ぶ、小アンティル諸島の一つ。アンティグア島はかつてイギリス海軍の造船所があり、深く入り組んだ湾に築かれているため、ハリケーンの被害を最低限に食い止めるというのが特徴。造船所は18世紀末からアフリカ人労働者によって築かれ、他にもジョージアン様式の建築物が並んでいます。
ここではアンティグアの海軍造船所と関連考古遺跡群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アンティグアの海軍造船所について詳しくなること間違いなし!
アンティグアの海軍造船所と関連考古遺跡群とは?
アンティグアラ・バーブーダを構成する島の一つ、アンティグア島。かつて東カリブ海はサトウキビ生産が盛んで、ヨーロッパ諸国で覇権を争う場所でもありました。ここはイギリス海軍の拠点でもあり、島の南東部の湾には、最前線基地として造船所が築かれ、カリブ海における戦略的優位性を得ることができました。
造船所は高地に囲まれ、深い入り江を持つといった場所であることから、度々発生するハリケーンの被害を和らげるシェルターのような役割を持ちました。18世紀末に建設された「ネルソン造船所」は、アフリカ大陸から連れて来られた労働者によって建造されたもの。造船所跡は、現在「ネルソンズ・ドックヤード国立公園」の一部として残り、当時の海軍の邸宅であったクレランス・ハウスはベランダや雨戸など、カリブ海の気候に適応するように築かれたジョージアン様式の建造物で現在も残っています。
アンティグアの海軍造船所と関連考古遺跡群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
アンティグアの海軍造船所が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
アンティグアの海軍造船所と関連考古遺跡群は、英国の建築技術が現地の気候に合わせて発展したことにより、カリブ海に住む人々の価値観の交換を示すもので、大英帝国により奴隷化されたアフリカ人労働者によって築かれたジョージアン様式の建物は彼らの苦労の結晶であり、現在も島の子孫たちによる社会や経済、建築技術に関して影響を与え続けているという点。
登録基準(iv)
アンティグアの海軍造船所と関連考古遺跡群は、当時の大英帝国の植民地化の過程や、18世紀の海軍の建築技術の世界的な広がり、この地域の特性を利用して築かれた建築法など、当時のカリブ海におけるジョージアン様式の建造物の優れた例を示しているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
アンティグア・バーブーダに残る海軍造船所とそれにまつわる建築群は、18世紀の大英帝国海軍によっめ て作られた建築物の優れた例で、英国の建築様式がカリブ海の気候に合わせて発展したものを示し、それが現在でも島に住む人々に影響を与えているという点で評価されています。
ちなみに、アンティグア・バーブーダの料理は、アフリカからの影響を受けた料理が多く、他のカリブ海と同様に、オクラやタロイモ、ナスなどの野菜が使われているのに、イギリス、スペイン、フランス、オランダとかつてこの地を支配した民族の影響を受けているのが特徴。最も有名なのは、ペッパーポットと飛ばれる野菜と唐辛子のシチュー。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。