登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (3), (4), (6) |
登録年 | 1980年(1990年拡大) |
サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂は「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」の構成資産の一つ。かつてはローマ教皇が暮らす宮殿があった場所で、キリスト教世界でも中心にあった場所。ところで、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂について詳しくなること間違いなし!
サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂とは?
ローマの中心部にあるサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂は、ローマの五大バシリカの一つとされるほどに歴史あふれるカトリック教会の聖堂。ここはローマ帝国時代にラテラヌス家の邸宅であった場所を、4世紀ころになるとキリスト教徒が譲り受けたとされています。ここはアヴィニヨン捕囚(1309〜1377年)まで、ローマ教皇が暮らしたことから、ラテラノ宮殿とも呼ばれました。そのため「救世主大聖堂」と呼ばれ、ローマでも最大の聖堂となったのです。
しかし、教皇がローマに戻ってくるも、大聖堂と宮殿は荒れ果てていたために、教皇はサン・ピエトロ大聖堂の隣に教皇宮殿を築き、二度とここに戻ってくることはありませんでした。16世紀になると、大聖堂と宮殿は切り離され、現在の宮殿は博物館として残されています。1929年の「ラテラノ条約」により、ここはバチカン市国外ではあるものの、バチカンによって占有されているというのが特徴。
サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ローマは、古代から現在まで3000年にも及ぶ歴史を持つ芸術的な建築物であるということ。
登録基準(ii)
古代ローマからルネサンス、バロック、新古典主義まで、ローマ発祥の芸術は世界中の都市計画や建築物、芸術の発展に大きな影響を与えてきたということ。
登録基準(iii)
ローマの遺跡は保存状態がよく、現在も当時の芸術と建築技術の高さがよく見られるという点。
登録基準(iv)
ローマは中心部の都市開発は、3000年近くも途切れることなく続いており、古い町並みと現代建築が調和できるようになっているということ。
登録基準(vi)
キリスト教が伝来してから2000年以上の間、ローマはキリスト教世界の中心都市であり、ヨーロッパの文化の基盤であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂は、かつて教皇宮殿として利用されたほどで、1000年もの間、ローマでも最大の大聖堂であったという点で評価されています。
ちなみに、大聖堂前にあるオベリスクは、エジプトのカルナック神殿に紀元前1400年前に築かれたものを4世紀に運んできたという経緯があります。現在の場所に運ばれたのは1588年で、実は5世紀もの間ずっと埋まっていたために偶然発掘されて修復されたもの。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。