登録区分 | 文化遺産 |
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登録基準 | (1),(2),(3),(4) |
登録年 | 1984年 |
メスキータは「コルドバ歴史地区」の構成資産の一つ。メスキータとは「モスク」という意味で、現在はキリスト教の大聖堂であるものの、当時の構造をそのまま残す大モスクとして貴重な建造物です。ところで、メスキータはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではメスキータがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、メスキータについて詳しくなること間違なし!
メスキータ(コルドバ)とは?
「メスキータ」とは一般的にはモスクを示しますが、コルドバにおいては街の中心部にある大モスクを指します。ここはもともとは8世紀に後ウマイヤ朝の開祖、アブド・アッラフマーン1世(731〜788年)によって建造され、10世紀に拡張工事が行われると当時は世界で3番目に大きなモスクになりました。
しかし、13世紀にフェルナンド3世(1201〜1252年)に町が征服されると、ここはカトリックの大聖堂へと改装されます。それでも身を清める庭の池や、朱と白の縞模様のアーチが無数にある「円柱の森」など、かつてのモスク時代の名残が現在も残存。16世紀になり、スペイン王のカルロス1世(1500〜1588年)によってゴシック様式とルネサンス様式を合わせた教会堂が作られると、イスラム教建築とキリスト教建築が混在する不思議な建築物になりました。
現在はカトリック教会の司教座聖堂「コルドバの聖マリア大聖堂」と名付けられていますが、今もメスキータと呼ばれています。
メスキータ(コルドバ)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
メスキータが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
コルドバのメスキータはそのスケールの大きさは他の都市で見られるものではなく、抜群に美しい建築物であるということ。
登録基準(ii)
メスキータは8世紀からスペインや北アフリカのイスラム美術に影響を与え、19世紀に流行する「ネオモレスク様式」の発展にも繋がったという点。
登録基準(iii)
コルドバの歴史地区は、カリフを称した後ウマイヤ朝時代の大都市で、300ものモスクと無数の宮殿が作られたほどに繁栄した跡が残るということ。
登録基準(iv)
コルドバの建造物は、イスラム教における宗教建築の傑出した例であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
世界でも有数の規模を誇るモスクであるメスキータは、後ウマイヤ朝時代における傑作で、その建築様式はスペインや北アフリカのイスラム建築に影響を与えていったという点で評価されています。
ちなみに、世界最大のモスクはどこか?というと、メッカのマスジド・ハラーム(ハラーム・モスク)のようなイメージがありますが、現代においては、ドバイにあるシェイク・ザイード・グランド・モスクで、約5万人も収容できるとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。