大阪府の世界遺産「仲ツ山古墳（仲津山古墳）」とは？世界遺産マニアが解説

仲ツ山古墳（なかつやまこふん、仲津山古墳）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成資産の一つ。古市古墳群でも最も北東に位置していて、被葬者は明らかにされていませんが、宮内庁としては第15代応神天皇の皇后である仲姫命（なかつひめのみこと）の陵とされています。ところで、仲ツ山古墳はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは仲ツ山古墳がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、仲ツ山古墳について詳しくなること間違なし！

仲ツ山古墳（仲津山古墳）とは？

古市古墳群の中でも北東に位置する前方後円墳であり、墳丘長は290m、高さは26.1m。墳丘は3段となっていて、両側のくびれ部に造り出し（古墳に併設する壇状の施設）があるのが特徴。周囲は空濠になっているものの、かつては濠で囲まれていたとされます。堤からは円筒埴輪や形象埴輪が出土していて、古墳の建造は4世紀末と推定。古市古墳群でも2番目に建造が古いとされる古墳でもあります。

埋葬者は明らかにされていませんが、宮内庁は4世紀後半〜5世紀初頭に実在したとされる応神天皇の皇后である仲姫命の陵とされています。これはあくまでも伝承ではありますが、石棺や勾玉が出土したというのが理由。よって、可能性は低いとされていますが、第14代仲哀天皇の陵であるという説もあったりと、埋葬者ははっきりしていません。

仲ツ山古墳（仲津山古墳）はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

仲ツ山古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

仲ツ山古墳は、第15代応神天皇の皇后である仲姫命の陵とされ、古墳からは埴輪が出土していることから、古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、仲姫命の姉のである高城入姫命（たかきのいりひめのみこと）と妹の弟姫命（おとひめのみこと）も応神天皇の后ではあるのですが、なぜか彼女が皇后となっています。やはり、仲姫命は第16代仁徳天皇の母であることから位は高くなった様子。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。