登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (5) |
登録年 | 2021年 |
大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき)は「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つ。ここは日本でも最大規模のストーン・サークルで、縄文時代後期の墓地であり、祭祀施設でもあったと考えられています。ところで、大湯環状列石はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは大湯環状列石がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、大湯環状列石について詳しくなること間違いなし!
大湯環状列石とは?
秋田県鹿角市十和田大湯にある縄文時代後期の大型ストーンサークル(環状列石)。ここは標高180mの台地の上に、万座(まんざ)環状列石(最大径52m)と野中堂(のなかどう)環状列石(最大径44m)の2つの二重構造のストーンサークルが存在します。これらは近くにある川原の石を円状に配置しているのが特徴。
環状列石の中には日時計状の組石があり、夏至の日に太陽が沈むようになっていることから日時計のようなものであると考えられています。ここは土抗から土偶や土製品、祭祀道具などの副葬品が発見されていることから大型の墓地と考えられているもの。周囲には掘立柱建物があったとされ、現在は復元されています。
大湯環状列石はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
大湯環状列石が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
北海道・北東北の縄文遺跡群では、土器や土偶などの遺物、墳墓、土塁、ストーンサークルなどが発掘され、これらは世界的に珍しい定住型狩猟社会の文化を示すものであるということ。
登録基準(v)
北海道・北東北の縄文遺跡群は定住地の出現から成熟期までの土地利用が見られ、縄文時代の人々は、食料が採れる川の近くや干潟、森など、農耕社会のように定住地を大きく変えることなく、自然と適応しながら狩猟採集生活を維持してきたということを示しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
大湯環状列石は、日本でも最大規模のストーン・サークルで、ここは墓域であり、規模の大きい祭祀・儀礼を行っていた施設であることから縄文時代後期の定住型狩猟社会の文化が見られるという点で評価されています。
ちなみに、遺跡の北東にある標高280.6mの黒又山(くろまたやま)は、エジプトのピラミッドによく似た形状で有名。単なる山ではなく、同志社大学の研究グループなどが考古学調査したところ、石器や土器などが発見されていて、大湯環状列石と何かしら関係があったとされています。そして、山頂の地下をレーダーで調査したところ、埋葬施設があり、ここは結構すごい遺跡である可能性があるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。