登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1984年(2005年拡大) |
グエル邸は「アントニ・ガウディの作品群」の構成資産の一つ。ここはガウディの支援者である実業家のグエイ(グエル)の邸宅で、彼の初期の作品であるために、複数の建築様式が入り混じったもの。ところで、グエル邸はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではグエル邸がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、グエル邸について詳しくなること間違いなし!
グエル邸とは?
バルセロナ中心部でもやや南東側に位置するエル・ラバルというエリアにある邸宅です。1984年に最初に登録。1886〜1888年に建造された4階建ての邸宅でガウディ初期の作品でもあります。正面ファサードには、鍛鉄製の格子扉でさまざまなデザインのオブジェが飾られているという独特の景観。
メインフロアには豪華なサロンが並び、吹き抜けの中央サロンのドーム天井は、トルコのアヤ・ソフィアに感銘を受け、84の穴から自然光が差し込むように設計された神秘的な空間が広がるという構造。1階の各部屋には、それぞれにガウディらしい派手な装飾が見られ、2階は完全なプライベートな部屋が続き、暮らしやすさを追求した設計となっています。屋上には、ガウディらしいトレンカディス(粉砕タイル)を利用した煙突が並ぶというのも特徴。
グエル邸はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
グエル邸が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ガウディの作品は、19世紀後半〜20世紀初期にかけて世界の建築の発展に貢献したということ。
登録基準(ii)
バルセロナに残るガウディの建築物は、「モデルニスモ」の代表的なもので、やがて20世紀の近代建築の発展に大きな影響を与えたということ。
登録基準(iv)
ガウディの優れた作品は20世紀初頭の住宅と共同施設の発展にも貢献しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
グエル邸は、彼の初期の作品ではありますが、モデルニスモの原型が見られ、20世紀初期の邸宅の建築様式の発展に大きく影響を与えたという点で評価されています。
ちなみに、若き日のガウディはグエルのために20もの設計案を用意するほどに熱心に取り組んでいて、グエルは大いに気に入り、20年もの間、この家に住んだというほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。