青森県の世界遺産「田小屋野貝塚」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (5)
登録年2021年

田小屋野貝塚(たごやのかいづか)は「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つ。日本海側では数少ない貝塚で、当時の暮らしなどがよく分かります。ところで、田小屋野貝塚はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは田小屋野貝塚がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、田小屋野貝塚について詳しくなること間違いなし!

目次

田小屋野貝塚とは?

田小屋野貝塚
画像素材:Indiana jo(Wikimedeia Commmons)

青森県つがる市木造にある縄文時代前期から中期までの遺跡。日本海側沿いは貝塚が極めて少なく、登録された世界遺産としても珍しい貝塚。ここではヤマトシジミやイシガイなどが食べられていたということが分かっています。

遺跡は集落跡となっていて、内湾である古十三湖(こじゅうさんこ)に面し、貝類だけでなく、縄文時代前期から中期までの土器や石器、クジラやイルカなどの哺乳類を素材にした骨角器も出土。特にベンケイガイを使った貝輪が多く出土していて、北海道にも似たような貝輪が発見されたことから古くから北海道とも交流していたことも分かります。

田小屋野貝塚はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

田小屋野貝塚
画像素材:Indiana jo(Wikimedeia Commmons)

田小屋野貝塚が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
北海道・北東北の縄文遺跡群では、土器や土偶などの遺物、墳墓、土塁、ストーンサークルなどが発掘され、これらは世界的に珍しい定住型狩猟社会の文化を示すものであるということ。

登録基準(v)
北海道・北東北の縄文遺跡群は定住地の出現から成熟期までの土地利用が見られ、縄文時代の人々は、食料が採れる川の近くや干潟、森など、農耕社会のように定住地を大きく変えることなく、自然と適応しながら狩猟採集生活を維持してきたということを示しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

田小屋野貝塚は、日本海側にしては珍しい貝塚遺跡で、当時の内湾近くでの人々の暮らしがよく分かるもので、北海道との繋がりが見られることから、定住型狩猟社会圏の交流なども示しているという点。

ちなみに、ヤマトシジミはなんと日本の固有種。シジミと呼ばれるのはほとんどがこれなのですが、最近は国内でタイワンシジミなど外来種が多く出現し、徐々に減りつつあります。そして、違いがほとんど分からず、比較的安価で売られることから、消費者のマインドもヤマトシジミの絶滅へと繋がっているという悲しい背景もあるんですよ。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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