登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(3),(6) |
登録年 | 1979年 |
王妃の谷は「古代都市テーベとその墓地遺跡」の構成資産の一つ。エジプト新王国の女王や王子、王妃たちの墓が多く集まる谷で、特にラムセス2世の王妃ネフェルタリの墓には美しい壁画などが今でも見られます。ところで、王妃の谷はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここでは王妃の谷がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、王妃の谷について詳しくなること間違いなし!
王妃の谷とは?
岩山に築かれた岩窟墓群。王家の谷の南西に位置していて、おもにファラオの妻を中心に埋葬されています。エジプト新王国・第18〜20王朝の王妃だけでなく、王子や王妃なども埋葬。ここは3つの谷に91の墳墓があり、王家の谷と同時代に築かれたとさるものの、最も古いのは第17王朝の王女であったアハメスの墓(QV47)ではあり、時代としては第18王朝初期に建造されたもの。
第19王朝になると、埋葬は王族の女性に限定されるようになり、特に有名なラムセス1世やセティ1世の妻などが埋葬されています。特にラムセス2世の妃であるネフェルタリ(不明~紀元前1225年頃)の墓(QV66)は、レリーフの装飾が美しく、保存状態も良好のため、王妃の谷を代表する王墓になっています。
王妃の谷はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
王妃の谷が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
テーベに残る神殿や葬祭殿、墓地に関する遺跡は、人類の創造的資質を示すものであるという点。
登録基準(iii)
テーベの古代都市の名残は、エジプト中王国・新王国の文明の存在を示すということ。
登録基準(vi)
神殿にはアメン・ラー神の信仰があり、墓地遺跡には古代エジプトの人々の死後の世界に対する思想などが見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
王妃の谷には、女王や王子、王妃たちの墓が揃い、その美しさだけでなく、エジプト新王国時代の王の権力や死後の世界に対する思想などが分かるという点で評価されています。
ちなみに、ラムセス2世はよほどネフェルタリを気に入っていたのか、アブ・シンベルには彼女のための小神殿を築き、レリーフにも彼女と同等の大きさであることから、彼女は重要の地位にいたということは考えられています。しかし、彼の側室100人もいたそうで…まぁ、世継ぎを産むという仕事があったとはいえ、愛情とはまた別の問題だったのでしょう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。