カナダの世界遺産「アンティコスティ」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(8)
登録年2023年

カナダ東部のセントローレンス湾に浮かぶアンティコスティ島は、4億年以上前の石灰岩の地層が露出していて、当時の化石が多く発掘される場所。この時期の化石は、顕生代(カンブリア紀以降)で初めて発生した大量絶滅を記録したもので、その時代の研究をするのに最も優れた資料でもあります。

ここではアンティコスティがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アンティコスティについて詳しくなること間違いなし!

目次

アンティコスティとは?

アンティコスティ島
画像素材:shutterstock

カナダ東部のセントローレンス湾にあるアンティスコティ島は、9289平方kmの細長い島で、行政単位としてはケベック州に属しています。島には石灰岩が露出した部分があり、これは厚さが約1kmもの連続した堆積物で、オルドビス紀(約4億8830万年前〜約4億4370万年前)とシルル紀(約4億4370万年前〜約4億1600万年前)の間に発生した大量説滅の記録を残すもの。この時期の絶滅は、顕生代(カンブリア紀以降)で5回ほど発生した大量絶滅の中でも最初のものです。

特に島の海岸線と渓谷に露出した石灰岩の地層は、他の地域に化石遺跡に比べて、海洋無脊椎動物の化石が多く発掘され、その多様性は貴重なもの。ここは19世紀末から古生物学の研究が続けられていて、謎の多いオルドビス紀〜シルル紀に発生した大量絶滅について研究するのにも適した地でもあります。

アンティコスティはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

アンティコスティ島
画像素材:shutterstock

アンティコスティが評価されたのが、以下の点。

登録基準(viii)
アンティスコティ島は、オルドビス紀の末期に発生した大量絶滅による化石と堆積地層が多く見られることから、その点に関する世界でも最高の研究所的な存在でもあります。ここにはオルドビス紀からシルル紀の間の大量絶滅期である、4億5000万年前から4億3500万年前の保存状態の良い化石が多く発見され、地球の歴史を研究するのに最適であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

アンティスコティ島の海岸線や渓谷に残る化石遺跡や地層は、謎の多いオルドビス紀末期の大量絶滅を研究するのに、地球で最も優れた研究所的存在であるという点で評価されています。

ちなみに、島には「ポテト洞窟」や「ポテト川」というユニークな地名が存在しています。別にジャガイモを栽培していたわけではなく、単純に川の河口にある大きな花崗岩がジャガイモに似ていた…というだけで、ポテト川と名付けられ、そこからポテト洞窟と名付けられただけ。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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