ヨルダンの世界遺産候補「アカバ海洋保護区」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分(暫定リストに記載)自然遺産
登録基準(暫定リストに記載)(9), (10)
申請年(暫定リストに記載)2023年

ヨルダン南西部の沿岸に広がるアカバ湾には、サンゴ礁が続く保護区があり、周囲は乾燥地帯である上に温暖な海であることから、ここには300近くのサンゴだけでなく、絶滅危惧種のジュゴンやウミガメ、メガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)、ジンベイザメなど、生物多様性が見られるという点で貴重な場所でもあります。

ここでは、アカバ海洋保護区がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アカバ海洋保護区について詳しくなること間違なし!

目次

アカバ海洋保護区とは?

アカバ海洋保護区
画像素材:shutterstock

ヨルダンの南西部にあるアカバ県は、アフリカ大陸とアラビア半島に挟まれた紅海に面していて、非常に細長い湾となっています。保護区としては、沿岸沿いの2.8平方kmの細長いエリアであり、ヨルダン領の約3%を占めるもの。紅海は冬は暖かく、夏は酷暑が続く上に、雨が降らない乾燥地帯であることから、暖流によって世界でも最北の地にあるサンゴ礁とされています。

保護区内は、300近くのサンゴ、500種の魚類、1000種の軟体動物が暮らす豊かな海であり、ジュゴンや4種類のウミガメ、ジンベイザメ、メガネモチノウオなどが見られることでも有名。そして、固有種も多く、15種ものイシサンゴがこの地の固有種であり、サンゴにとって理想的な環境が広がっています。

アカバ海洋保護区はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?

アカバ海洋保護区
画像素材:shutterstock

アカバ海洋保護区が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ix)
アカバ海洋保護区のサンゴは、最近の研究では、石化や死滅に至る水温の被害に対して耐性を持ち、紅海の水質は海洋酸化に対して緩衝するという可能性もあり、ここはサンゴにとって理想的な環境が広がっていて、海洋生物の多様化が進んでいるという点。

登録基準(x)
アカバ海洋保護区は、海藻地帯や岩石地帯、ラグーン、サンゴ礁など、生物にとって理想的な環境もあり、固有性が高く、さまざまな種類の生物が暮らすことができます。そして、陸から離れているため、渡り鳥にとっても重要な保護エリアになっているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

アカバ海洋保護区は乾燥地帯であり、紅海から暖流が流れてくることからサンゴにとっては理想的な環境が形成されていて、その環境が生物多様性を生み出し、固有種や絶滅危惧種が暮らす豊かな海が存在しているという点で評価されています。

ちなみに、アカバ湾はイスラエルやエジプトとも国境を接していて、日本ではあまり知られていませんが、ダイビングスポットのメッカで、各エリアで高級リゾートが点在するエリアなのです。世界遺産としてはアカバ湾がノミネートされていますが、そのうち構成遺産も追加されるかもですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1200以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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