登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3) |
登録年 | 2004年 |
カザフスタンの南東部に位置するタンバリ渓谷には、紀元前14世紀から20世紀初頭までに築かれた岩絵が5000点も並ぶ地。ここは集落と埋葬地を備えた48ものエリアに分かれていて、岩絵は動物や人間が描かれている一方、神格化された太陽像なども見られます。これらはかつてこの地に暮らした遊牧民の農耕や社会組織、儀式などが分かるもの。
ここではタンバリ(タムガリ)の考古的景観の岩絵群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、タンバリについて詳しくなること間違いなし!
タンバリ(タムガリ)の考古的景観の岩絵群とは?
カザフスタン南東部のアルマトイ州にあるチュリ山岳地帯。その敷地内にあるタンガリ渓谷は、北側は乾燥地帯の平原が続き、南部はキルギスの国境に接した山々が続く地です。ここは光沢のある黒色の石が階段状に見られ、青銅器時代から遊牧民を惹きつける場所でもありました。この地では紀元前14世紀から20世紀初頭まで約5000もの岩絵が描かれていて、そのモチーフからは遊牧民による牧畜や社会、儀式などを示すもの。
岩絵は石や金属の道具を使って描かれていて、集落跡と埋葬地を備えた48のエリアが点在。その中でも5つのエリアだけで3000もの岩絵が集中しています。モチーフは動物や人間を描いていて、特に神格化した太陽像などは芸術性が高く、中央アジアにも岩絵群が存在しますが、ここは規模とデザインにおいては非常に優れたもの。
タンバリ(タムガリ)の考古的景観の岩絵群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
タンバリが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
タンガリは、岩絵とともに祭壇や聖域が一体となっていて、周辺には集落や埋葬地の跡があり、これらは青銅器時代から現代までの中央アジアでかつて暮らしていた遊牧民の生活と信仰が分かるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
タンガリは、中央アジアで発見された岩絵の中でも規模や数は段違いで、これらは主に祭壇や聖域と一体になっていたと考えられていて、周囲には集落跡や墳墓があることから、青銅器時代から続く遊牧民の暮らしと信仰が分かるという点で評価されています。
ちなみに、アルマトイ州の州都アルマトイは1991〜1997年までカザフスタンの首都であった場所。しかし、現在もカザフスタンの実質的な首都のような存在で、中央アジアでも最高水準の経済都市であり「南の首都」といわれるほど。しかし、地下には活断層があり、地震が多発するということで遷都したというも理由の一つだったとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。