スリランカの世界遺産「スリランカの中央高地」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(9), (10)
登録年2010年

スリランカの中南部に位置するピーク・ウィルダーネス保護区、ホートン・プレインズ国立公園、ナックルズ保護森林の3つの保護区は標高2500mにも達する山岳森林地帯が広がるエリア。古くから残る熱帯森林には、カオムラサキラングールやホートン・プレインズラングール、スリランカラングールなど絶滅危惧種を含む、生物多様性のホットスポットでもあります。

ここではスリランカの中央高地がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スリランカの中央高地について詳しくなること間違いなし!

目次

スリランカの中央高地とは?

カオムラサキラングール/スリランカの中央高地
画像素材:shutterstock

ピーク・ウィルダーネス保護区、ホートン・プレインズ国立公園、ナックルズ保護森林の3つの自然保護区が合わさり、合計で56平方kmもの敷地が登録。標高2500mにも達する熱帯雨林帯は太古から生息していて、ここはスリランカでも固有種が多く生見られる地でもあります。スリランカ固有の脊椎動物は半分以上、固有の顕花植物は約半分、固有の樹木、低木、ハーブは34%以上が存在するホットスポットとして、貴重なエリアでもあります。

特にカオムラサキラングールは森林開発や乱獲によって大幅に減少し、現在は絶滅危惧種になりました。そして、ここはスリランカでも古くから残る熱帯雨林であるため、カオムラサキラングールなどの貴重な動物が残るという環境でもあるのです。

スリランカの中央高地はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

スリランカの中央高地
画像素材:shutterstock

スリランカの中央高地が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ix)
スリランカの山地森林でもここは古くから残る地で、熱帯雨林とモンスーンによって形成された森で構成。3つの自然保護区ではスリランカ固有のカオムラサキラングールや180万年前にネコ科から分岐した島で唯一のスリランカヒョウなどが生息する地であり、これはセイロン島という孤立した環境によって独自の進化を遂げ、南アジアでも最も特徴的な軟体動物も誕生するといった背景でもあるという点。

登録基準(x)
3つの自然保護区の森林は、固有種や絶滅危惧種が豊富で、408種の脊椎動物のうち、固有の淡水魚の83%、ピーク・ウィルダーネス保護区の両生類の81%、ホートン・プレインズ国立公園の両生類の91%、爬虫類の89%、両生類の64%が固有種、ナックルズ保護森林の爬虫類の51%が固有種であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

スリランカの奥地でもある3つの自然保護区は、太古から存在し続ける温順な雨林で、ここはセイロン島という大陸から孤立した環境であることから、独自に進化した動植物が見られ、固有種や絶滅危惧種が存在するという点で評価されています。

ちなみに、ピーク・ウィルダーネス保護区内にはスリー・パーダ(標高2238m)という山頂には「聖なる足跡」あり、ここは山岳信仰が古くから残る地。しかし、これは仏教徒なら「ブッダの足跡」、ヒンドゥー教なら「シヴァの足跡」、イスラム教徒は「アダムの足跡」、キリスト教徒は「聖トーマスの足跡」として、それぞれ解釈が異なるのが面白いところ。まぁ、どれも根拠はないのですが、そんなことをツッコんではいけない…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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