登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (6) |
登録年 | 2006年 |
マラウイ中部の高原に位置するチョンゴニには、森林に覆われた花崗岩の丘に127箇所もの岩絵が点在する場所。古いものは新石器時代にこの地で暮らしていた狩猟採集民のバトゥワ(ピグミー)族が描いたもので、その後は現在も暮らす農耕民族のチュワ族が岩絵を描き続け、ここでは彼らの神話の世界などを表現しています。
ここではチョンゴニの岩絵地域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、チョンゴニについて詳しくなること間違いなし!
チョンゴニの岩絵地域とは?
チョンゴニはマラウィ中央部の高原地帯に広がっていて、126.4平方kmもの範囲の花崗岩の丘に127箇所の岩絵が点在し、これは中央アフリカでも最大規模。岩絵は新石器時代の紀元前2500年前から描かれていて、これらは当時この地で暮らしていた狩猟採集民のバトゥワ(ピグミー)族によって築かれたもので、赤い顔料が使用された幾何学的な図柄となっていて、岩絵は雨乞いや葬祭などのためのものであったとされています。
鉄器時代の紀元前1000年ころに北方からこの地を訪れ、現在も暮らしている農耕民族のチュワ族によって、20世紀まで白い粘土で写実的な岩絵が継続して描かれていて、これらのモチーフは彼らの神話などと結びついたもの。岩絵は狩猟猟採集の時代から農業への時代への移行を示し、チュワ族が侵入したことを記録していて、彼らの生きた文化的伝統を現在まで残しています。
チョンゴニの岩絵地域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
チョンゴニが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
チョンゴニの岩絵地域は、何世紀にも渡る文化的伝統を反映していて、特に現在まで続くチュワ族の母系社会を示し、雨乞いや葬儀に関する役割があったという点。
登録基準(vi)
チョンゴニの岩絵は、ニャウと呼ばれる秘密結社で知られる現在のチュワ族の伝統と強く関連していて、アフリカ南部において重要な聖地であり、現在もこの地で絶大な権力を持つチュワ族の社会を示す景観が広がっているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
チョンゴニの岩絵は、2つの民族によって描かれたものですが、これは雨乞いや葬儀にまつわるもので、現在もこの地に住むチュワ族の伝統と社会と強く結びついた聖地であるという点で評価されています。
ちなみにチュワ族は母系社会であり、一家の長というだけでなく、財産や土地まですべて母親側に属するという徹底した女性社会でもあります。そのためアフリカでは珍しく、女性大統領も誕生しているという女性に優しい社会でもあるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。