登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3),(4) |
登録年 | 1982年 |
アメリカ北東部にあるカホキアは、北アメリカでも最大の先住民文明の遺跡。これらはミシシッピ文化期(約800~1600年頃)に築かれ、マウンド(土塁)と呼ばれる住居や神殿、墓の土台だったものが120も残り、複雑な首長制社会が存在したことを示すもの。なかでも高さ30m以上の「モンクス・マウンド」はエジプトのピラミッドを越える規模で、ここが政治と宗教の中心地であり、祭祀の場所であったということを証明するものでもあります。
ここではカホキア墳丘群州立史跡がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カホキアについて詳しくなること間違いなし!
カホキア墳丘群州立史跡とは?
イリノイ州南西部に位置し、ミシシッピ川とミズーリ川が合わさるセントルイス市の郊外にする遺跡。ここは北アメリカでも最大規模の先住民文明の遺構となっていて、10〜17世紀のミシシッピ文化時代に大いに栄え、文化や宗教、経済の中心地でもありました。人口は11〜12世紀にかけて1〜2万人にも住んでいたとされ、これは当時のヨーロッパの都市にも匹敵する規模でしたが、15世紀には衰退していきます。
カホキアはかつて「太陽の都市」と呼ばれ、120ものマウンドと呼ばれる、住居や神殿、墓の土台となった土塁が点在していました。その中でも最大規模の土塁が「モンクス・マウンド」と呼ばれる、長さ304m、幅213m、高さ30mにも及ぶ、アメリカ大陸でも最大の先史時代の建造物。頂上まで2段の階段となっていて、床面積としてはエジプトのピラミッドを越える大きさを誇るもの。その他にも「ウッドヘンジ」と呼ばれる、木製の円柱で囲まれた土塁もあります。
カホキア墳丘群州立史跡はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カホキアが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
カホキアは、ミシシッピ文化期の初期に属するもので、これはメキシコ北部においては最大規模の先史時代の集落遺跡であり、この地方の文化、宗教、経済の繁栄を示しているという点。
登録基準(iv)
カホキアは、労働や農業、交易が階級によって管理されていたという首長制社会を示し、これらは住宅の大きさやレイアウト、公共の建造物の構造などに反映されているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
カホキアは北アメリカの先史時代の遺跡においても最大規模で、マウンドも含め初期ミシシッピ文化期の首長制の集落の構造が今でも見られるという点で評価されています。
ちなみに、セントルイスといえば、アメリカでも最も人気のビールの銘柄「バドワイザー」の本社であるアンハイザー・ブッシュ社があることで有名。しかし、この「バドワイザー」の名称はチェコの都市ブトヴァイス(チェスケー・ブジェヨヴィツェ市)から由来し、現地のビール会社と名称を巡って紛争が起こっていて、未だに解決していません。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。