登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (4) |
登録年 | 2015年 |
クリスチャンスフェルドは「モラヴィア教会の入植地」の構成資産の一つ。ここはルター派教会の一派・モラヴィア教会(兄弟団)によって計画された街で、特にモラヴィア教会の平等主義とヒューマニズムという哲学が重視されていて、プロテスタントの理想都市となりました。
ここではモラヴィア教会の入植地クリスチャンスフェルドがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クリスチャンスフェルドについて詳しくなること間違いなし!
モラヴィア教会の入植地クリスチャンスフェルドとは?
南ユトランドのコリング市にある人口3000人弱の小さな町クリスチャンスフェルド。ここは1773年にプロテスタントのルター派教会の一派・モラヴィア教会の信徒によって計画された入植地です。モラヴィア教会は、当時としては先駆的な平等主義的な哲学を持つ教団で、ここはそのヒューマニズムが都市計画において採用されていました。
クリスチャンスフェルドは教会のある広場を中心に建設された北欧の入植地として保存状態が良好。広場からは2本の道路が並行していて、通り沿いには黄色のレンガと赤色の屋根を持つ1〜2階建ての同じようなデザインの建物が並んでいます。特にモラヴィア教会の社会構造が大いに反映されていて、未亡人や未婚の男女のための大きな共同住宅が並んでいるというのが特徴。これらの建造物は今でも地元のモラヴィア教会の信徒によって利用されています。
モラヴィア教会の入植地クリスチャンスフェルドはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
クリスチャンスフェルドが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
クリスチャンスフェルドのモラヴィア教会の入植地は、街の配置、建築物、建築技術など、その哲学を示す証拠となっていて、今でも信徒たちによって、その伝統が維持されています。都市計画からは共同体の社会と哲学を反映されていて、ヨーロッパのモラヴィア教会の入植地として最もよく保存されているという点。
登録基準(iv)
クリスチャンスフェルドは、都市計画、統一性、機能などに示されているように、理想的なプロテスタントの入植地の例であり、他のモラヴィア教会の集落と同様に、啓蒙時代に導入された新たな概念を反映した都市でした。これは後のヨーロッパの多くの都市で実現された平等と共同体の社会の概念を先取りしたもの。モラヴィア教会の民主的な組織は、ヒューマニズムが施された都市計画に見られ、共通の福祉のための建築物も存在。建築物の素材や形状、デザインなどに高度な職人技が見られ、その統一性も示されているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
クリスチャンスフェルドは、プロテスタントの一派であるモラヴィア教会の哲学が反映された都市で、福祉施設などを含めた都市計画は、今では当たり前となった、平等とヒューマニズムの構造が見られ、先駆け的な存在として評価されています。
ちなみに、街の名物はハニーケーキ。1783年より秘伝のレシピによって焼かれているものの、最近は衛生基準が変更になったことで、内容は変更されたものの、以前として過去のレシピが人気だそう。カフェなどで味わえるので、一度味わってみてはいかが?
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。