登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (5) |
登録年 | 2000年 |
クルシュー砂州は、ロシアとリトアニアにまたがる長さ98kmのヨーロッパ最大の砂州。この砂州はバルト海からの風と潮を運ばれることによって形成され、先史時代から人々がここで暮らし続けていることから文化的景観として登録されています。
ここではクルシュー砂州がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クルシュー砂州について詳しくなること間違いなし!
クルシュー砂州とは?
クルシュー砂州は、ロシア・カリーニンググラード州側のサンビア半島から、リトアニアの港町クライペダ近くの海峡まで延びる、長さ98kmのヨーロッパ最大の砂州。ここはバルト海から風と潮が運ばれることによって形成され、約5000年前には存在していたという記録があるほど。リトアニア側の南端にはヨーロッパ最大のニダ砂丘があり、観光地としても有名です。
砂州はもともとは森で覆われていたのですが、17〜18世紀にほぼ全てが伐採されると、砂丘が拡大してしまったため、人が暮らすことができなくなりました。19世紀からは植林を始め、森林を保護し、やがて再び森林で覆われるように。
人々は先史時代からここに暮らしていて、10〜11世紀の交易のための集落跡や漁師の集落跡などが残っています。この厳しい環境の中で人々の努力によってその姿を保っていることからここは文化的景観として文化遺産として登録。
クルシュー砂州はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
クルシュー砂州が評価されたのが、以下の点。
登録基準(v)
クルシュー砂州は、侵食による驚異にさらされながらも、19世紀から現在まで人間の手によって維持され続けているという点で評価されています。
世界遺産マニアの結論と感想
ヨーロッパ最大の砂州であり、自然遺産としての評価と思いきや実は文化遺産としての評価。砂州は存続の危機を乗り越え、人の手によって砂州そのものが保護されているという点で評価されています。
ちなみに、カリーニンググラード州はロシアといっても飛び地で、もともとは東プロイセンという現在のドイツの領土でもありました。そして、第二次大戦後にロシアに編入されて、現在に至っています。
しかし、隣のリトアニアがソ連の構成国だったのですが、1990年に独立したため、結果的に飛び地となってしまったという複雑な経緯があるのです。カリーニンググラード州は世界の琥珀の90%以上が採取できることでも有名ですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。