登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (10) |
登録年 | 1991年 |
ルーマニア東部の黒海沿岸に位置する広大な三角州「ドナウ・デルタ」は、ヨーロッパ最大の湿地帯です。ここには多くの淡水湖とヨシ(アシ)原が広がり、プラウルと呼ばれる小島が点在。ドナウ・デルタはハイイロペリカンなどの繁殖地となっています。
ここではドナウ・デルタがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ドナウ・デルタについて詳しくなること間違いなし!
ドナウ・デルタとは?
ルーマニア東部のドブロジャ地方は黒海沿岸に面した広大なエリア。ここは中央ヨーロッパから10ヶ国をまたいで流れ出るドナウ川の河口になっていて、黒海の手前でキリア川、スリナ川、聖ゲオルゲ川によって広大な三角州が形成されます。これがドナウ・デルタと呼ばれるもの。ここは6000平方kmにも及ぶ広大な湿地帯で、ヨーロッパでも最大の湿地帯となっていて、ヨシ(アシ)が広がり、干潟や湿原など、さまざまな地形が見られます。
世界遺産として登録されているのは、3124平方kmにも及ぶエリアではありますが、多くの淡水湖が点在していて、それらは水路でつながっています。そして、淡水湖にはヨシが多く植生していて、それが集まりプラウルというヨシの小島も点在。ドナウ・デルタは、地中海、中東、アフリカを移動する渡り鳥の生息地ともなっていて、300種の鳥類が見られ、産卵地としても有名です。
モモイロペリカン&ハイイロペリカン
ドナウ・デルタの名物的な存在であるのがペリカンであり、重要な生息地になっています。モモイロペリカンは、数を減らしている種で、繁殖期になるとピンク色になり,目の周囲や足もピンク色になるため、このように呼ばれます。そして、ハイイロペリカンはペリカンでも最大の種で、嘴の上部が灰色というのも特徴。
ドナウ・デルタはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ドナウ・デルタが評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
黒海に流れ込むドナウ川によって形成される三角州であるドナウ・デルタは、ヨーロッパ最大の湿地帯でありのままの姿が保存されているという点。
登録基準(x)
ドナウ・デルタには、多くの湖や沼地が存在していて、45種の淡水魚や300種類以上の鳥類が生息しているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ドナウ・デルタは三角州そのものが世界遺産となっているもの。2000kmにも及ぶ大河であるドナウ川によって形成される、ヨーロッパ最大の湿原で、ここには淡水魚や渡り鳥などが多く見られるという点で評価されています。
実は、ドナウ・デルタには街が点在していて、人々はカヤックなどで釣りなどをして生計を立てています。ロシアから宗教の迫害を受けて移住していてリポヴァン人も住むというのも特徴。街以外は道路もほぼないエリアなので、都市間の移動は船が使用されるという、ヴェネツィアのような暮らしが見られます。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。