イギリスの世界遺産「ドーセットと東デヴォンの海岸(ジュラシック・コースト)」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(8)
登録年2001年

イギリス南部のドーセット周辺にある断崖が続く海岸は、ジュラシック・コーストと呼ばれています。中生代の1億8500万年に渡る地層が見られ、ここからはさまざまな化石が多く発掘。ここは300年以上に渡って研究が続けられ、魚竜イクチオサウルスやアンモナイトなど、貴重な化石が多く発見されています。

ここではドーセットと東デヴォンの海岸(ジュラシック・コースト)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ドーセットと東デヴォンの海岸について詳しくなること間違いなし!

目次

ドーセットと東デヴォンの海岸(ジュラシック・コースト)とは?

ドーセットと東デヴォンの海岸(ジュラシック・コースト)
画像素材:shutterstock

ジュラシック・コーストは、西はイギリス南部のドーセット州のスワネイジ近郊から、東はデヴォン州東部のエクスマス近郊まで約155kmに渡って続く、多彩な自然が見られる海岸のこと。ここは8つのエリアに分かれていて、三畳紀からジュラ紀、白亜紀に渡って1億8500万年に渡って続いた中生代の地層が残っており、地層からはアンモナイトや植物、魚類など、さまざまな化石が発見されています。

ここは300年にわたって古生物学、地質学、地形学などにおいて貴重な研究対象となっています。

メアリー・アニングとイクチオサウルス

イクチオサウルス/ドーセットと東デヴォンの海岸(ジュラシック・コースト)
画像素材:shutterstock

この地は化石が多く残る地ではあるのですが、それを有名にさせたのがメアリー・アニング。海岸の近くに近くに住んでいて、化石収集が趣味だった彼女が、1811年にイクチオサウルスという魚竜の全身化石をここで偶然発見。

実はこの時代まで化石はオカルトなものとみなされていたのですが、彼女の発見によって過去に巨大な爬虫類の「絶滅」があったということを示す証拠となりました。そして、彼女はプレシオサウルスという首長竜の化石も発掘し、やがて古生物学者として科学に大きな影響を与えたのです。

ドーセットと東デヴォンの海岸(ジュラシック・コースト)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ダードル・ドア/ドーセットと東デヴォンの海岸(ジュラシック・コースト)
画像素材:shutterstock

ドーセットと東デヴォンの海岸が評価されたのが、以下の点。

登録基準(viii)
ドーセットと東デヴォンの海岸は、中世代の地層がほぼ連続して残り、世界的に重要な化石が多く発見され、1億8500万年に渡る地球の歴史を記録する場所でありました。この地は地質学、古生物学、地形学において多大な貢献したという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ジュラシック・コーストと呼ばれるだけあって、中生代ジュラ紀の地層が多く見られるのが特徴。ここからはアンモナイトや巨大爬虫類が発見され、古生物学だけでなく、さまざまな研究において研究対象であるという点で評価されています。

ちなみに、記事のサムネイル写真にある、恐竜の頭部のように見える岩のアーチである「ダードル・ドア」は偶然にも「ジュラシック・コースト」という名を見事に表すかのような不思議な地形。しかし、ダードルは古英語で「穴をあける」という意味と考えられていて、そもそも化石が発見がされる前にそのような名前がつけられていたのです。そもそも、その頃の人々は「恐竜」という発想がなかったので「穴」にフィーチャーしたのかと思われますが…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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