登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 1993年 |
スウェーデン中部のヴェストマンランド地方のエンゲルスバーリは、17〜19世紀に鉄鉱石の採掘が行われ、銑鉄の生産が行われていました。製鉄所はスウェーデンが17〜18世紀にかけて世界をリードする存在であったことを証明し、現在も高炉跡や検察官の家、木造小屋など、50箇所以上の建造物が当時のまま残されています。
ここではエンゲルスバーリ製鉄所がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、エンゲルスバーリ製鉄所について詳しくなること間違いなし!
エンゲルスバーリ製鉄所とは?

ヴェストマンランド県のエンゲルスバーリは鉱山地帯で、ここは17〜19世紀にかけてヨーロッパにおいて影響力のある工業地帯でもありました。製鉄所と周辺の建造物は、スウェーデンが2世紀に渡って鉄鉱石の採掘と製鉄で大いに繁栄したことを今でも伝えています。
ここは12世紀から農民たちが農具を作るために、鉄鉱石の採掘と精錬を始めたことがきっかけで、中世には高炉、鞴(ふいご、空気の流れを生み出す器具)、水車などが導入され、スウェーデンの鉄産業は大いに向上。17世紀には貴族の出資により、高炉を持つ製鉄所が建設されると、18世紀末には鉄骨粉砕機と炭貯蔵庫など、当時の最先端技術が採用されていきました。しかし、19世紀になると技術革新に追いつけず、1919年には操業を停止。
エンゲルスバーリは製鉄所だけでなく、管理用の建造物、労働者や農場で働く人々の住宅など、50以上のもの建造物が存在していました。現在も検査官の家、庭師の家、鍛冶屋、馬車小屋、醸造所などが残されています。
エンゲルスバーリ製鉄所はどんな理由で世界遺産に登録されているの?



エンゲルスバーリ製鉄所が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
エンゲルスバーリは、17〜19世紀においてヨーロッパでも影響力のある工業地帯の例であり、産業遺産と関連する管理者の建造物、住宅がほぼ当時のまま残されているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
エンゲルスバーリの製鉄所と周囲の住宅や建築物は、かつてスウェーデンが製鉄で最も繁栄した時代の名残が見られ、保存状態も良好であるという点で評価されています。
ちなみに、ヴェストマンランド県の県庁所在地であるヴェステロースは、工業都市として有名ですが、なぜかキュウリがよく育つ地であることから「キュウリの町」としても有名。しかし、その理由は科学的に証明されてなく、よく分かっていません。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。