スウェーデンの世界遺産「ルレオのガンメルスタードの教会街」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (4), (5)
登録年1996年

スウェーデン北部にあるガンメルスタードは、ボスニア湾の先端に位置し、15世紀に石造りの教会が建造されると、ここは教区として多くの巡礼者が集まる「教会街」となりました。街には日帰りで帰れない信者のための木造平屋のコテージが多く建造され、19世紀以降に建造された424戸も現存。

ここではルレオのガンメルスタードの教会街がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ガンメルスタードの教会街について詳しくなること間違いなし!

目次

ルレオのガンメルスタードの教会街とは?

ルレオのガンメルスタードの教会街
画像素材:shutterstock

ボスニア湾北端に位置する港湾都市ルレオ。その郊外に位置するガンメルスタードは古くからの交易地であり、15世紀後半に石造りの教会が建造されると、47もの村々で構成される教区となり、やがて周辺の村から人々が宗教行事で訪れるようになりました。遠方から訪れる信者は日帰りで戻れないために、彼らの宿泊施設として、日曜日とお祭りの日だけ使用する木造平屋コテージを多く建造。

もともとガンメルスタードはルーレ川の河口に位置していたのですが、17世紀になると気候変動で港が使用できなくなると、住民は現在のルレオへと商業地区を移し、ここはガンメルスタード(旧市街)と飛ばれるようになりました。そのためガンメルスタードは開発されることなく、教会を中心に放射状に道路が延びていったという区画が17世紀のまま残されるようになりました。信者のための小さなコテージは赤い壁と白い壁のものが中心ですが、他にも教区会館、市長公邸、船長皇帝、迎賓館など、現在も当時の教会街の街並みはほぼ完全に残されています。

ルレオのガンメルスタードの教会街はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ルレオのガンメルスタードの教会街
画像素材:shutterstock

ガンメルスタードの教会街が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
ルレオのガンメルスタードの教会街は、厳しい自然環境の中で、特殊な地理と気候条件に適応するように都市が計画され、数世紀に渡って有機的に発展した姿をそのまま保存されているという点。

登録基準(iv)
ガンメルスタードは、スカンジナビア北部の伝統的な教会街の代表する例で、周囲の人々による信仰によって形成された街。現在も教会街として機能していて、このタイプの街としては最も古く、最もよく保存されているということ。

登録基準(v)
ルレオのガンメルスタードの教会街は、週末に教会の周囲で滞在するといった習慣によって生み出された生活様式が見られるもの。それは400年変わらず続けられ、周囲の景観と融合していきました。これはほぼ消滅した北欧の定住地を現在も残しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

湾口都市ルレオの旧市街であるガンメルスタードは、周囲の村々を合わせた広大な教区の中心地として、教会を中心とした都市計画が築かれました。これは数世紀に渡って発展し、かつては北欧に似たようなタイプの教会街が多くあったものの、ガンメルスタードは現在でもその姿を残すという点で評価されています。

ちなみに、ルレオはスウェーデンでも辺境の地ですが、実はスウェーデン最北のマクドナルドがあります。しかし、これは世界最北のマクドナルドではなく、世界最北は国境を越えたフィンランドのロヴァニエミにある店舗。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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