登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8) |
登録年 | 1986年 |
ジャイアンツ・コーズウェーとは、北アイルランド北部の海岸沿いに並ぶ4万もの巨大な玄武岩の石柱群のこと。ここには巨人の伝説があり、それにちなんで「巨人の道」と名付けられました。これは約5000〜6000万年前の火山活動によって形成されたユニークな地形。
ここでは、ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ジャイアンツ・コーズウェーについて詳しくなること間違いなし!
ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸とは?
北アイルランドのアントリム県北部の海岸には崖が多いのですが、その一部には世界的に有名なコーズウェー海岸があります。このような地形を柱状節理といい、発見されたのは17世紀後半ではありますが、既に18世紀には芸術家などが多く訪れ、知名度も高く、観光地としての歴史が長いのも特徴。
ジャイアンツ・コーズウェー
コーズウェー海岸で最もユニークな地形といえば、ジャイアンツ・コーズウェー(巨人の道)。4万もの玄武岩の石柱が重なり合い、まるで海へ向けて道を作っているかのような形になっています。これはケルト神話に由来するもので、神話ではアイルランドの巨人フィン・マックールがスコットランドへ行く際にこの道を作ったことから「巨人の道」と呼ばれるようになったのです。
この地形は約6000万年前、第三紀に形成されました。コーズウェー海岸一帯は火山活動が活発で、溶解した玄武岩が急速に冷却したことで収縮され、ひびが入ったもの。その結果、玄武岩は柱状になり、ほとんど六角形の石柱になりました。すべてが六角形ということではないのですが、中には10mも超える石柱も存在。ここは地球の大地がどのように形成されたか、その歴史を知るためのパズルのピースとも言えるでしょう。
その他の名所
ここには火山活動により、12mの高さの柱が60本も並ぶ「オルガン」、侵食によって靴のように見える巨石「巨人のブーツ」、崖から切り離された石柱「煙突」といった不思議な地形が作られ、さまざまな名前が付けられています。
ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ジャイアンツ・コーズウェーが評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
4万もの石柱が並ぶその光景は、並外れた自然の美しさを示しているということ。
登録基準(viii)
コーズウェー海岸の柱状節理は、第三紀にこの地で火山活動が活発であったということを示しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
柱状節理の地形は日本でもいくつかありますが、4万もの石柱が並ぶ風景はここでしか見られません。そして、ここまではっきりと残っているということで、地球の歴史を垣間見ることができるというのもポイントです。
ちなみにですが、このような地形は周囲でもいくつか見られて、対岸のスコットランドでは、フィンガルの洞窟という柱状節理の洞窟が有名です。もっと火山活動が活発だったら、スコットランドまで本当に道が繋がっていたかもしれませんね…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。