登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3) |
登録年 | 2007年 |
アゼルバイジャン東部の半砂漠地帯にあるゴブスタンは、6000もの先史時代の岩絵が発見されており、ここは少なくとも1万年以上前から人が住んでいたと考えられています。岩絵には、ウシや馬、魚、虫などさまざまなデザインが刻まれていて、これらはかつてこの地が温暖で豊かな土地であったということを示すもの。
ここではゴブスタンの岩絵の文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ゴブスタンについて詳しくなること間違いなし!
ゴブスタンの岩絵の文化的景観とは?

アゼルバイジャンの首都バクーから南西へ約70km。ここはゴブスタン国立保護区になっていて、半砂漠地帯です。ここは「泥火山」が存在し、これは地下で固まっていない泥が地表に吹き出てくるという珍しい自然現象が見られるということで有名。
ここでは6000もの先史時代の岩絵が発見されていて、これらはウシや馬、魚、虫などの動物だけでなく、アシで作ったボートなど、かつては温暖で豊かな地であったということを示すもの。新石器時代になると、家畜や宗教的な舞踏のデザインなど、この地で暮らす人々の変化が見られ、さらにはイスラム建築で使用されるデザインも存在することから、中世まで岩絵が描かれていたということがわかります。
ここは少なくとも1万年前には人が定住していたことがわかっていて、岩絵以外にも人々が住んでいた洞窟や集落、埋葬地なども残っていて、文化的景観として世界遺産に登録。
ゴブスタンの岩絵の文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?



ゴブスタンが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ゴブスタンの岩絵からは、ここが昔は温暖な気候の土地で森が広がっていて、岩絵からは狩猟や釣りをしていたことも見られ、古代の人々の生活がよく分かるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ここでは、少なくとも1万年以上前から岩絵が描かれ続け、まだこの地が温暖で豊かな森が広がっていたころの様子が分かり、狩猟の時代から定住の時代となり、イスラム時代まで作られ続けたという継続性も見られるという点で評価されています。
泥火山は「火山」とは名がつくものの、実際には低温の温泉が湧き出るもの。しかし、炎を吹き上げる泥火山もあり、2001年にバクー近郊で発見された泥火山は、炎を吹き上げたことから、古代から火を信仰してきたゾロアスター教はここにルーツがあるのでは?とニュースになったことも。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。