イギリスの世界遺産「ゴーラムの洞窟群」とは?ジブラルタルの岩を含め世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3)
登録年2016年

イベリア半島南東に位置するジブラルタルの岩と周辺はイギリスの海外領土の一つ。ここは石灰岩で構成されていて内部には4つの洞窟があり、10万年以上前にネアンデルタール人が暮らしていたとされ、羽を装飾に使ったり、鳥や海獣類を食べていたという跡が現在も残ります。そして、彼らが岩に刻んだ抽象的な模様も残っているというのが特徴。

ここではゴーラムの洞窟群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ゴーラムの洞窟群について詳しくなること間違いなし!

目次

ゴーラムの洞窟群とは?ジブラルタルの岩の内部にある?

ゴーラムの洞窟群/ジブラルタルの岩
画像素材:shutterstock

イギリスの海外領土の一つ、イギリス領ジブラルタルの南側には「ジブラルタルの岩」と呼ばれる標高426mの岩山があります。ここは石灰岩の一枚岩でもありますが、岬にもなっています。西側は緩やかな傾斜で東側には険しい崖が広がっているのが特徴。ジブラルタルはヨーロッパとアフリカの境目にあるだけあって、さまざまな動植物が生息していて、渡り鳥が多く集まるため野鳥の保護区ともなっています。

崖に位置する4つの洞窟はゴーラムと呼ばれ、10万年以上前にネアンデルタール人が暮らしたという考古学遺跡があります。遺跡からは彼らがここで鳥や海獣類を食べて暮らし、鳥の羽を装飾として利用していたことが分かるもの。3万9000年前に刻まれた抽象的な模様も見られ、これらは保存状態も良いことからネアンデルタール人と現生人類の進化の研究において貢献してきました。

ゴーラムの洞窟群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ゴーラムの洞窟群/ジブラルタルの岩
画像素材:shutterstock

ゴーラムの洞窟群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ゴーラムの洞窟群は、約12万年に渡るネアンデルタール人と現生人類の文化や生活が見られ、洞窟の考古学遺跡には幾何学的な彫刻や彼らの食事内容が分かる遺構が残り、ジブラルタルの岩の気候と環境に適応して生活していた跡などが発見されています。ここでは考古学の研究が行われていて、ネアンデルタール人の思考能力を含めて当時の彼らの生活が分かる場所であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ゴーラムの洞窟群は、ネアンデルタール人の当時の暮らしや文化などが分かる考古遺跡が残ることから、ネアンデルタール人を含めた考古学の研究において大いに貢献してきたという点で評価されています。

ちなみに、ジブラルタルの岩は古代は「ヘラクレスの柱」と呼ばれ、ギリシャ神話では英雄ヘラクレスによってこの地にあった山を真っ二つにして地中海と大西洋を繋いだというエピソードから、ここは「ヨーロッパ側の柱」だと考えられていました。古代ギリシャの哲学者プラトンによると、この先に失われた王国アトランティスがあったとされていて、当時から地中海世界でも最果ての地だった模様。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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