登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 2016年 |
中国中央部にある湖北の神農架(しんのうか)は、西の神農頂(しんのうちょう)/巴東(はとう)と、東の老君山の2つのエリアで構成される自然遺産。ここは中国中央部最大の原生林が残り、キンシコウやチュウゴクオオサンショウなどの貴重な動物の生息地でもあります。そして、植物採取の名所としても有名。
ここでは湖北の神農架がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、湖北の神農架について詳しくなること間違いなし!
湖北の神農架とは?
湖北省の北西に位置するエリア。ここは「神農架林区」という中国で唯一の林区で、中国中央部の最大の原生林保護区。西の神農頂(しんのうちょう)/巴東(はとう)と、東の老君山の2つのエリアで構成され、北から寒流、南からは暖流が流れ込むという土地です。
ここは中国固有の植物が集まるエリアでもあり、1793種類もの固有種が見られます。そして、絶滅危惧種のキンシコウ、ウンピョウ、ツキノワグマなどの生息地となっていて、世界最大の両生類であるチュウゴクオオサンショウウオなども見られます。ここは19〜20世紀に国際的な植物の調査エリアにも選ばれ、この地域から500種以上の新種が発見。植物学史においては多大な貢献をしています。
湖北の神農架はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
湖北の神農架が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
湖北の神農架は、中国中部最大の原生林の保護区であり、固有種が多く集まる地。特に落葉性植物は874種類も見られ、世界各地の落葉広葉樹林と比べて最も多様性のあるエリアであるという点。
登録基準(x)
湖北の神農架は、氷河の影響を受けていないため、絶滅危惧種や固有種が生息し続けている地でもあり、山岳地帯は絶滅危惧種のキンシコウが約1550頭も生息し、ウンピョウやチュウゴクオオサンショウウオなどが見られ、世界でも最大級の温帯植物の多様性があふのが特徴。希少種も生息していることから、ここは植物学史や園芸学史においても重要であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
湖北の神農架の特徴は、氷河の影響を受けていないため、古来からの生物多様性がそのまま保持されてきているという点。そして、動物相は絶滅危惧種や固有種が多く見られ、彼らが住む落葉樹の森には多くの固有種が生息することから、植物学や園芸学においては多大な貢献をしているというのもポイント。
ちなみに、神農架の谷間にある紅坪鎮というエリアには、サイの像が置かれていますが…中国で「サイ」は生息しておらず、アジアで見られるのはインドサイとジャワサイ、スマトラサイだけ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。