ベトナムの世界遺産「フエの建造物群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4)
登録年1993年

ベトナム中部にあるフエは、19〜20世紀まで栄えたベトナム最後の王朝、阮朝(グエン朝)の首都だった場所。ここは阮朝の政治、文化、宗教の中心地で、旧市街には豪華な王宮跡が残っています。

ここでは、フエの建造物群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、フエについて詳しくなること間違なし!

目次

フエの建造物群とは?

画像素材:shutterstock

フエは、ベトナム中部トゥアティエン=フエ省の省都。町の起源ははっきりとはしませんが、15世紀まで現在のベトナム北部の大越と南部のチャンパの国境に位置する小さな町でした。

16世紀から阮朝の皇帝のルーツである阮潢(グエン・ホアン)がここを支配するようになると、貿易の中心地として繁栄しました。やがてベトナム全土を統一して阮朝が成立すると、1802年から1945年まで阮朝(グエン朝)の首都となり、ベトナム最後の統一王朝に。

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町は、北方から南西へ流れるフオン川にそって建造され、左岸が旧市街で王族や役人、庶民が住み、右岸は新市街でここは後にベトナムを支配するフランス人の居住区となった場所。かつての市街地は現在の旧市街で、城壁で囲まれていました。建物の配置は風水を取り入れられていると考えられていて、大砲の位置なども自然哲学を元に配置されているとされます。

登録されているのは、城壁内にある建物がメインで王宮はもちろん、城壁外にある皇帝の陵墓なども登録。フエは19世紀初頭の城塞都市として、東南アジアにおける都市計画の優れた見本となっています。

登録されている主な構成遺産

王宮

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王宮は、旧市街の南側に位置し、城壁で囲まれています。ここは中国・北京の紫禁城をモデルにしていて、その広さはも紫禁城の3/4ほどにして造られました。1968年のベトナム戦争時にほとんどが破壊されたものの、一部は現在でも残っています。

正面にある午門と呼ばれる正門は、正午になると太陽が上に登るように設計されたもの。敷地の中央には、王が政務を行っていた太和殿が残り、ここは高さ11.8mと壮麗な建築物でしたが、1970年に再建。ここには皇帝が座る金箔のイスが今でも置かれています。

鎮平台

鎮平台は1804年に建造された要塞で、城壁の北東の端に置かれたもの。フランスの軍事家ウォーバンの知識を施した要塞で21の大砲を備えた近代的な要塞です。

明命帝の廟(ミンマン帝陵)

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第2代の明命帝の陵墓。旧市街から南へ約15kmほどの距離にあり、カムケー(錦鶏)山の麓にあります。ここは彼が生存している時から計画されたいた陵墓で、墓というよりもむしろ庭園といった雰囲気で、象や馬などの石像や蓮の池などが点在。霊廟は中国の建築様式を参考にしたもの。

嗣徳帝の廟(トゥドゥック帝陵)

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第4代の嗣徳帝の陵墓。旧市街から南へ約7kmほどの距離にあり、もともとは別荘として設計されたもの。よって、釣りができる大きな池も造られており、ここもどちらかというと庭園のような雰囲気。

啓定帝の廟(カイディン帝陵)

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第12代の啓定帝の陵墓。旧市街から南へ約10kmほどの距離にあり、ここは他の皇帝の陵と違い、バロック様式の影響が見られる建築物です。派手な装飾が施された外観で、内部の天井の装飾はヨーロッパの王宮のようなデザインで、磁気やガラスなども使用。啓定帝の棺の上には、金箔が貼られた王の銅像が置かれ、他の廟は違う、独特の雰囲気が漂っています。

ティエンムー寺

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1601年に建造された寺院で、フエでも最も古い寺院建築。ティエンは「天」、ムーは「姥」を指し、かつてここに老婆が現れ、人々に「ここに真の主がやってきて寺を建てるであろう」と語ったということから、阮朝の皇帝のルーツである阮潢(グエン・ホアン)がここに寺を建造したという伝説が残ります。

フエの建造物群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

フエが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
フエの王宮や郊外の建造物は、アジアの封建社会で見られる首都の優れた例であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

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この世界遺産は、主に阮朝に関係する建造物が登録されているので、旧市街だけではなく、町の郊外にも多く点在するというのが特徴です。そして、これらの建造物はアジアの封建社会の象徴的なものを現在に残すということで評価。

ちなみに、フエの料理は、唐辛子を使うことで有名で、あっさりとした味付けの多いベトナムにおいては異質。これは先住民であるチャム族が辛い味付けを好んだことが由来するとか。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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