登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (3), (5), (6) |
申請年(暫定リストに記載) | 2004年 |
ウィチョル族はメキシコ西部に暮らす先住民であり、彼らの聖地であるウィリクタに至る約800kmの巡礼路には山地や砂漠など、さまざまな聖地があり、彼らの知識を深め、さらには民族としての文化を強化するという役割がありました。
ここでは聖地からウィリクタへのウイチョルの道(タテワリ・フアジュエ)がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、聖地からウィリクタへのウイチョルの道について詳しくなること間違なし!
聖地からウィリクタへのウイチョルの道(タテワリ・フアジュエ)とは?
「ウィチョル」とは、メキシコ西部のナヤリット州とハリスコ州に暮らすウィチョル族を示し、彼らは古くからこの地で暮らす先住民で、独自の伝統宗教を持っていました。ウィリクタは、メキシコ東部にあるサン・ルイス・ポトシ州の砂漠にあり、ここは太陽が初めて現れた場所とされることからウィチョル族の聖地でもあります。10月から2月の乾季になると、宗教儀式で利用するサボテン科のペヨーテを得るために、各地からウィチョル族が巡礼路を通ってこの地を訪れます。
西部のナヤリット州の沿岸からウィリクタまで約800kmの巡礼路の各地に聖地が点在しています。彼らは文字を持つことはなかったのですが、各地ではシャーマンが彼らの宗教や医学の知識を伝えていくことで、民族としてのアイデンティティを保つことができるというのも、この巡礼路の役割でもありました。
聖地からウィリクタへのウイチョルの道(タテワリ・フアジュエ)はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
聖地からウィリクタへのウイチョルの道が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
登録基準(v)
登録基準(vi)
メソアメリカにおいて、古くからこの地で暮らすウィチョル族は起伏の多い地形や砂漠などに巡礼路を築き、ウィチョル族の文化を継続してきました。そして、野生動物や風、雲に敬意を示し、巡礼者に知恵を与え、導きを与えたりして、彼らのアイデンティを保つ知識体系でもあったという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ウィチョル族は文字を持たないということもあり、聖地から各地を結ぶ巡礼路を設けることによって、シャーマンが宗教や医療などの知識を授け、民族としての文化を伝えていたという点で評価されています。
ちなみに、ウィチョル族は、幻覚作用を持つペヨーテを使って交信を行うという儀式を行うことで有名。ウィリクタはペヨーテが生育され続けていることから聖地でもあるのです。ペヨーテは古くから病気などに効くとされていましたが、実際にアルコール依存症に効果が出たという研究もあり、怪しい植物ではなく、医学的にも認められている模様。しかし、ペヨーテの成分の一つ「メスカリン」は日本では「麻薬」に指定されているのでその点は要注意ですよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。