登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(8) |
登録年 | 2004年 |
グリーンランド西海岸にあるイルリサットには、南極大陸を除くと世界最大の氷河「セルメク・クジャレク氷河(ヤコブスハブン氷河)」があることで知られます。ここから分離する氷は毎年40立方kmにもなり、気候変動の研究において非常に役立ってきました。
ここではイルリサット・アイスフィヨルドがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、イルリサット・アイスフィヨルドについて詳しくなること間違いなし!
グリーンランドのイルリサット・アイスフィヨルドとは?
グリーンランドの西部に位置するイルリサットは、北極圏にあるにもかかわらず、島内でも3番目に大きな町。ここはイルリサット・アイスフィヨルドの河口に築かれ、周囲にあるフィヨルドは約4000平方kmも広がる巨大なエリア。
その中でも約3200平方kmにも及ぶ「セルメク・クジャレク氷河(ヤコブスハブン氷河)」は、南極大陸を除く世界で最大の氷河であるグリーンランドの中でも、その面積の約10%を占めています。氷河は標高1200kmから海へ向かって流れ落ち、ここから分離する氷は毎年40立方kmにも及ぶ、世界でも活発な氷河。この氷河によって、大地が削られフィヨルドが形成されます。これらの氷河は約1万年前に終了した氷河期に形成されたもので、250年前から調査が始まり、気候変動の研究において大いに貢献してきました。
イルリサット・アイスフィヨルドはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
イルリサット・アイスフィヨルドが評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
巨大な氷河からフィヨルドへ流れ落ちるという一連の流れはグリーンランドと南極のみに見られる現象で、氷が動くことによって形成されるダイナミック景観が見られるという点。
登録基準(viii)
南極を除く世界最大の氷河であるイルリサット・アイスフィヨルドは、第四紀の最終氷河期に形成されたことから、地球の歴史が刻まれていて、気候変動などの研究に貢献してきたということ。
世界遺産マニアの結論と感想
イルリサット・アイスフィヨルドは1万年も前の氷河であり、フィヨルドを経由して海へと相当な量が流れて出ることから、景観が美しいのも当然ですが、気候変動などの研究テーマにもピッタリだったという点で評価されています。
そして、ディスコ湾に流れ出た氷河は、氷山となってアザラシやセイウチがひと休みするというおなじみの光景が見られます。もともとこの海域はヴァイキングの狩りの場でもありました。そして、現在は氷山巡りツアーで訪れたりと、いろんな意味で現地に住む人間の役に立つ海域でもあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。