イタリアの世界遺産「20世紀の産業都市イヴレーア」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4)
登録年2018年

イタリア北西部のイヴレーアは、オフィス・コンピューターなどの製造で有名なオリベッティ社の本社がある都市。街の南側には本社工場とともに社宅や行政施設などが集まり、これらは1930〜1960年代にかけてオリベッティ社と建築家と協力して行われた文化・政治・労働を含めた「コミュニティ運動」の思想が見られるもの。

ここでは20世紀の産業都市イヴレーアがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、イヴレーアについて詳しくなること間違いなし!

目次

20世紀の産業都市イヴレーアとは?

20世紀の産業都市イヴレーア
画像素材:shutterstock

イヴレーアは、イタリア北西部のピエモンテ州に位置する産業都市。1908年にカミッロ・オリベッティによって設立されたオリベッティ社の本社があることで知られます。オリベッティ社とは、タイプライター、計算機、コンピューターなどの製造を手掛けている、イタリアを代表する企業。街の南側は、カミッロの長男アドリアーノ・オリベッティによって1930〜1960年代にかけて「コミュニティ運動」という思想のもとで設計・建造された都市となっています。

コミュニティ運動とは、1947年にアドリアーノが提唱した文化・政治・労働運動で、彼は建築家や都市計画家と協力して、工場とともに公共施設や社宅などを含めた産業都市を設計しました。これは近代の産業都市のモデルとなり、例えば機械からデジタル化まで社会の変革に対して適応できるといった、さまざまな点で近代的なビジョンを示したもの。

20世紀の産業都市イヴレーアはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

20世紀の産業都市イヴレーア
画像素材:shutterstock

イヴレーアが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
イヴレーアの産業都市は、イタリアのモダニズムの流れを組むデザイナーや建築家の建築物の集合体であり、社会や産業の変化を考慮して設計されていて、機械からデジタル化など世界規模の産業の変化に対しても対応できるような近代的なビジョンで形成された都市であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

イヴレーアは、「コミュニティ運動」の思想を体現した産業都市として設計され、モダンな建造物が並び、これらは産業の変化に対しても融通が効くような20世紀の都市設計がされているという点で評価されています。

ちなみに、イヴレーアの2月のカーニバルは、オレンジをぶつけ合うという「オレンジ合戦」で有名。これは中世に「民衆が独裁君主に対して蜂起した」ということからオレンジを投げるという伝統に繋がったとされていますが…記録として残っているのは19世紀から。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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