登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4), (5) |
登録年 | 2007年 |
南アフリカ北西部の山がちの砂漠地帯は、半遊牧民であるナマ族が暮らす地で、彼らの文化や保護されている植物などを含めた景観が世界遺産に登録。そして、ここでは固有種の保護区やイグサで編んだ簡易的な住居であるハル・オムなども見られます。
ここではリフタスフェルトの文化的・植物的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、リフタスフェルトについて詳しくなること間違いなし!
リフタスフェルトの文化的・植物的景観とは?
リフタスフェルトは、ナミビア国境の北ケープ州にある、峡谷や山々が続く砂漠地帯のこと。ここは半遊牧民であるナマ族が暮らしてきた地。現在は農耕民族であるバンツー族が移住してきた影響もあり、ナマ族が伝統的な暮らしがするエリアはここだけとなっています。彼らは季節ごとに放牧をしながら移動し、イグサで編んだ簡易的な住居であるハル・オムで暮らすという生活を2000年以上に渡って続けてきました。
ここは雨が少ないエリアではあるものの、植物相が豊かでアロエ・ディコトマなど多肉植物の多様性が見られます。特にパキポディウムという植物は代表的な多肉植物で、先端に縮れた毛のようになる形状から人の頭のように見え、ナマ族に崇拝されてきました。そして、この地に生える植物はナマ族が薬草として採取を続け、動物などを含めてリフタスフェルトの特性や景観などは口頭による伝承によってずっと彼らの中で残されてきたのです。
リフタスフェルトの文化的・植物的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
リフタスフェルトが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
リフタスフェルトの文化的・植物的景観は、ナマ族が半遊牧民として、2000年以上にも渡ってハル・オムなどを活用しつつ暮らし、多肉植物を保護しながら土地を管理してきたという相互作用を示すものであるという点。
登録基準(v)
リフタスフェルトは、アフリカ南部で移動式の放牧が行われている数少ない地であり、ナマ族が生物多様性を維持しつつ伝統を維持してきた地であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
非常に分かりづらい世界遺産ですが、リフタスフェルトはアフリカ南部でも数少ない半遊牧民であるナマ族が暮らす地で、彼らの移動式テントのようなハム・オムや彼らが崇拝してきた多肉植物など、ナマ族の文化がこの地の植物と合わせて存在するという点で評価されているのです。
ちなみに、リフタスフェルトだけでなく、南アフリカ全体に生息するウシ科のリーボックは、スポーツウェア・メーカーのリーボックの由来となった動物で、俊敏なことから名付けられたとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。