スリナムの世界遺産「ヨーデンサヴァネの考古遺跡 : ヨーデンサヴァネの入植地とカシポラクレークの共同墓地」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3)
登録年2023年

スリナム北部に位置する集落遺跡・ヨーデンサヴァネは「ユダヤ人のサバンナ」という意味。ここは17世紀に開拓されたユダヤ人による入植地で、19世紀には放棄されましたが、現在はシナゴーグや墓などの遺構が残り、ユダヤ人によるアメリカ大陸の植民地での暮らしが見られる場所でもあります。

ここではヨーデンサヴァネの考古遺跡 : ヨーデンサヴァネの入植地とカシポラクレークの共同墓地がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヨーデンサヴァネの考古遺跡について詳しくなること間違いなし!

目次

ヨーデンサヴァネの考古遺跡 : ヨーデンサヴァネの入植地とカシポラクレークの共同墓地とは?

画像素材:Jan Willem Broekema(Wikimedeia Commmons)

ヨーデンサヴァネはスリナムの北部のパラ地方にあり、スリナム川沿いに位置する集落遺跡。ここは17世紀にスペインの異端審問から逃れてきたユダヤ人(セファルディム)によって築かれた集落で、彼らはこの地にサトウキビのプランテーションを設立しました。そして、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)が村の中心に建造され、17世紀末には600人もの住民に9000人以上の奴隷、40以上のプランテーションが存在したとされ、逃亡奴隷から防衛するための設備なども存在したほど。

しかし、19世紀になるとサトウキビ産業が衰退し、多くの住民が首都のパラマリボへと移住すると、1832年に火事が発生し、ここは廃墟となってしまいました。現在のヨーデンサヴァネの集落跡には450もの墓とシナゴーグ跡があり、近くにあるカシポラクレークにも数百の墓が残っています。多くの墓石はヨーロッパから輸入された大理石で、スペイン語やポルトガル語、オランダ語、ヘブライ語など、多言語で刻まれているのが特徴。

ヨーデンサヴァネの考古遺跡 : ヨーデンサヴァネの入植地とカシポラクレークの共同墓地はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:Dan Sloan(Wikimedeia Commmons)

ヨーデンサヴァネの考古遺跡が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ヨーデンサヴァネの考古遺跡は、新大陸におけるユダヤ人の植民地化の初期の試みが見られ、ここはアメリカ大陸でも現存する最古のシナゴーグが遺構として残っています。ここは近世のユダヤ世界で知られている中で最も広範な特権と免除が設けられた地であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ヨーデンサヴァネは、南米大陸におけるヨーロッパの入植の段階が見られる遺構であり、新大陸を開拓したユダヤ人の暮らしなどが見られるという点で評価されています。

ちなみに、スリナムはイギリスの支配時期もあったものの、独立前はオランダが領有していたためにオランダ語が今でも公用語でもあります。しかし、ここには多くの民族が集まって暮しているため、ポルトガル語やスペイン語を話す人々も。よって、「スリナム語」というオランダ語を母体としたクレオール言語が共通語として使用されているのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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