エチオピアの世界遺産「コンソの文化的景観」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (5)
登録年2011年

エチオピア南西部にあるコンソ高地には、石造りの壁に囲まれた段々畑と要塞化された集落が点在していて、これらはおよそ21世代に渡って自然に適応してきたという文化的景観が見られます。各村には擬人化された木製の彫像「ワーガ」もあり、これは何世代にも渡って英雄や優れた人物を伝え続けているという伝統システム。

ここではコンソの文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コンソについて詳しくなること間違いなし!

目次

コンソの文化的景観とは?

コンソの文化的景観
画像素材:shutterstock

コンソとは、南部諸民族州にある地名であると同時に、この地で暮らす民族の名称でもあります。ここは標高800mから1800mに渡る山岳地帯で、岩石の多い乾燥したエリアとなっています。登録エリアには高さ5mにも達する石造りの壁に囲まれた段々畑の上に要塞化された集落が各地に点在し、降水量が少ないエリアで水を集め、傾斜地を段々畑にして農業を行ってきました。

集落は丘の上に築かれ、城壁に囲まれていてモラ(広場)が点在し、これらはコンソ族の生活において重要な空間であり、「ダガ・ヘラ」と呼ばれる石が置かれています。民家は二重構造で、下層は家畜のスペースや穀物の貯蔵庫で、上階が居住スペースになっています。集落内には木製の彫像が多く並び、これらは墓標として建造されたもの。彫像は「ワーガ」と呼ばれ、人間の形をしていて、かつて尊敬を集めていた人や英雄的な行為を示すために建造されたとされています。

コンソの文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

コンソの文化的景観
画像素材:shutterstock

コンソが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
コンソでは、現地で暮らしてきた人々によって築かれた集落が今でも使用され、今でも周囲には段々畑が並び、環境に対して適応してきたということもあり、これは文化的景観として優れたもの。集落では、石碑の建設なども含めて生きた伝統の証もあり、コンソは古い世代から若い世代へと暮らしが引き継がれ、現在でも文化的伝統が生きているという点。

登録基準(v)
コンソの文化的景観は、段々畑と要塞化された町が見られ、ここで見られる高度に組織化した社会システムは、伝統的な人間の居住地として顕著な例であることを示します。コンソの文化と社会・経済を示す、段々畑は環境に対する適応を示し、この段々畑を作るための労働は強い結束と絆を必要とするもの。環境との相互作用は土着の工学知識に基づいていて保全を含めて現在でも利用されているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

コンソは段々畑の上に集落が並ぶという景観が続き、これは何世代にも渡って人々が代々引き継いできたという伝統的文化が見られ、乾燥した土地の中で段々畑を築き、その環境との相互作用が見られ、現在でも行き続ける文化的景観であるという点で評価されています。

ちなみに、コンソの各家庭では、エチオピアらしくコーヒーノキを各家で育てているのですが、なんと室内で育てています。これはコーヒーの葉を煮出した飲み物「ホラ」を作る素材として家庭菜園として育てているのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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