登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8), (10) |
登録年 | 2023年 |
カリブ海の小アンティル諸島に浮かぶマルティニーク島は、フランスの海外領土でもあり、豊かな自然環境が残っています。ここは過去に一つの街を破壊するほどの大噴火が発生したプレー山を含む火山島ではありますが、森林地帯が広がっていて、動植物ともに固有種が豊富なのが特徴。
ここではプレー山およびマルティニーク北部の火山・森林群が、なぜ世界遺産なのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マルティニーク北部の火山・森林群について詳しくなること間違いなし!
プレー山およびマルティニーク北部の火山・森林群とは?
フランスの海外領土であるマルティニーク島は、カリブ海に浮かぶ西インド諸島南部の小アンティル諸島に属する島。ここはドミニカとセント・ルシアという島国の間に位置し、一時的にイギリスに占領されたことがあるものの、17世紀からフランスが支配し、砂糖などのプランテーションが築かれました。
島は面積1080平方kmの細長い形をしていて、南部は丘陵地帯、北部は標高1395mのプレー山など標高の高い火山が連なる山岳地帯となっています。70もの河川、崖や入江、マングローブの森が連なる海岸線が続き、熱帯海洋性気候の影響も受けていて、各地でさまざまな自然環境が見られます。
森林地帯には多くの動物や植物が見られ、標高800mでも森林が続き、標高1100mになると、シダやパイナップル科の植物などが続く乾燥地帯が続くといった豊かな環境であるというのが特徴。1200種もの「ファネロガム」と呼ばれる植物が存在し、その中の12%が小アンティル諸島における固有種でもあります。
島で暮らす鳥類や爬虫類の一部は小アンティル諸島の固有種で、特に島の固有種であるマルチニクムクドリモドキなどが含まれているのが特徴。そして、昆虫類やクモ類、軟体動物などの研究も進み、生物多様性が豊かな島であるということが分かってきています。
プレー山およびマルティニーク北部の火山・森林群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
マルティニーク北部の火山・森林群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
登録基準(x)
プレー山では、1902年の噴火で近隣の大都市サン・ピエールを破壊し、3万もの死者を生み出すほどで、火山学史上の重要な出来事と考えられています。そして、マルティニーク火山ガエルやラセペードジヘビ、マルティニーク固有種のマルチニクムクドリモドキなど、絶滅危惧種が多く暮らすという点。
世界遺産マニアの結論と感想
マルティニーク島は、大陸プレートの境界にあるため、火山活動が盛んで、火山学の研究対象でもあます。そして、島には低地の森から高地の乾燥地帯まで自然環境が豊富で、固有種が多く見られ、その進化の過程まで見られるという点もポイント。
ちなみに、マルティニーク島で一番の有名人といえば、フランスの英雄・ナポレオンと結婚したジョセフィーヌ・ド・ボアヌネ。彼女は島生まれで、祖父の代からフランスを離れたクレオールでした。ナポレオンもコルシカ島という島の生まれであったので、そのあたりも彼女に惹かれるところはあったのでしょうか?
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。