登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7) |
登録年 | 2008年 |
メキシコ中部の山脈の森林は、長距離を移動する蝶・オオカバラマダの越冬地となっています。毎年秋になると何百万羽のオオカバラマダが訪れ、木々を覆い尽くすという独特の景観が見られるのが特徴。そして、春になると気流に乗って北米へと戻っていき、その間に4回もの世代交代が発生します。
ここではオオカバマダラ生物圏保護区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オオカバマダラ生物圏保護区について詳しくなること間違いなし!
オオカバマダラ生物圏保護区とは?
メキシコ中西部のミチョアカン州東部、山々の中に広がる森林には、毎年秋になると北米から数百万羽ものオオカバラマダという蝶が多く訪れ、年によって10億羽ものオオカバラマダが集まるという場所です。ここは森林保護区となっていて、木々をオレンジ色のオオカバラマダラが覆い尽くすため、オレンジ色に染まっているように見えるもの。そして、保護区内を多くの蝶が移動するため、まるで小雨が降ったかのような音が聞こえるというのが特徴。
春になるとオオカバラマダラは北米、特にカナダ東部へと気流に乗って戻っていき、北上は8ヶ月もかかることからその間に4世代に渡るというほど。しかし、オオカバラマダラの生態にはまだまだ不明な点が多く、なぜ越冬地に戻ってこれるのかは結論が出ていなくて、理由の一つとして「幼虫の餌となる草が枯渇しない場所を求めて絶え間なく移動する」という習性にあるとも考えられています。
オオカバマダラ生物圏保護区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
オオカバマダラ生物圏保護区が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
オオカバマダラ生物圏保護区は、オオカバマダラがこの地で集中して越冬することで知られ、昆虫類の移動においても最も劇的な現象でもあります。最大10万億羽ものオオカバマダラが、カナダ東部の繁殖地からメキシコ東部のモミやマツの森に訪れ、8つの生息地には北米東部に生息するオオカバマダラの越冬する個体の約70%も保護しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
オオカバマダラ生物圏保護区は、生態はよく分かっていないものの、北米からオオカバマダラが大移動して冬を越す場所で、昆虫の移動においても最も壮大な景観が見られ、多くの個体を保護しているという点で評価されています。
ちなみに、オオカバマダラは「大移動」というイメージがあるために、北米では結婚式で成虫が放たれることもあるほどに広く愛されています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。