マラウイの世界遺産候補「ムランジェ山の文化的景観」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分(暫定リストに記載)文化遺産(提出前は自然遺産として登録)
登録基準(暫定リストに記載)(3), (6)
申請年(暫定リストに記載)2000年

ムランジェ山はマラウイ南部にある標高3002mの山で、周囲には高山がないことから、非常に雨量が多いエリアで植物が密集しています。そのことから、ここは古くから聖域とされ、伝統的な儀式が行われてきました。

ここではムランジェ山の文化的景観がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ムランジェ山の文化的景観について詳しくなること間違なし!

目次

ムランジェ山の文化的景観とは?

ムランジェ山の文化的景観
画像素材:shutterstock

マラウイ南部州にあるムランジェ山は、「山」とは名付けられていますが、ここは地理的には「残丘(ざんきゅう)」と呼ばれ、平原に孤立した丘であり、日本でいえば筑波山が典型的な例。範囲としては約640平方kmとなっていて、最高地点は標高3002mであるものの、ほとんどが標高1800mから2200mの高原地帯であるのが特徴です。

なムランジェ山は平野が広がるエリアでも孤立した高山地帯であるため、周囲は雨季しか雨は降らないものの、ここだけは湿った空気が集まることから一年を通じて雨が降り、生物多様性が見られる豊かな森が広がります。それもあり、ここは精霊が暮らす聖域とされ、住民から崇拝を集めていました。よって、雨乞いなどの儀式が行われる場所として、文化的景観でもあります。

世界遺産マニアの結論と感想

実は、ムランジェ山は自然遺産として絶滅危惧種が暮らす森林保護区を暫定リストとしていたのですが、2014年の第38回世界遺産委員会では、路線を変えて文化遺産として推薦されました。しかし、諮問機関のICOMOSからはその価値が認められず登録延期となってしまったのです。

それもあり、現在は自然遺産から文化遺産として路線変更。まさに2013年に登録された「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」と経緯は似ていますね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1200以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定マイスター認定済。

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